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「自欺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自欺の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
な、険悪な、わるい心のありさまに陥る。それは無理はないが、本道ではない。どこかに自欺と回避とごまかしとがある。強い人はそのさびしさを抱きしめて生きて行かねばなら....
斗南先生」より 著者:中島敦
い出した。その冗談めいた自嘲の調子が彼の注意を惹いたものであろうか。 悪詩悪筆自欺欺人 億千万劫 不免蛇身 口の中で、しばらくこれを繰返しながら、三造は自....
競漕」より 著者:久米正雄
案外人の好いのに驚いた。敵愾心などというものは平凡な発見ではあるが、ある団体間の自欺的邪推であるということが個人個人にはわかった。物に感じやすい四番の斎藤なぞは....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ならば、それを起こっていると自ら欺くまいと思います。真実な人がそばにいると、その自欺と自媚とははっきりあらわれます。せめて私はうそだけいわぬようにしたい、――天....
生きること作ること」より 著者:和辻哲郎
。この困難に打ち克った時には人はかなり鋭い心理家になっているだろう。今の私はなお自欺と自己弁護との痕跡を、十分消し去ることができない。自己弁護はともすれば浮誇に....
転向」より 著者:和辻哲郎
。私はともすればそういう人の長所や苦しみや努力を見脱してしまう。そうしてその際、自欺の衣を剥ぎ偽善の面をもぐような、思い切った皮肉の矢を痛がる所へ射込む、という....
「ゼエレン・キェルケゴオル」序」より 著者:和辻哲郎
しみと。自己をありのままに肯定する心と、要求の前に自己の欠陥を恥ずる心と。誠実と自欺と。努力と無力と。生活を高めようとする心と、ほしいままに身を投げ出して楽欲を....