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自然人
「自然人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自然人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
ない。「恭倹|持己、博愛|及衆」の聖訓、「上求菩提。下化衆生」の仏願が、渾然たる
自然人、ありのままの梅津只圓翁の風格となって、いつまでもいつまでも尊く、ありがた....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
極端かというと、その極点を一歩踏み越えると、もうそこには人間文化の歴史の代りに、
自然人の未開や野蛮が横たわっているからである。
現代家族主義が原始化主義である....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
る)。 重ねて云うが、彼の本質は要するに解釈家を出ない。そういう意味に於て彼は
自然人ではなくてあくまで文化人である。もし三木説に従って、自然主義を東洋的乃至日....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
う説は不完全だとして之を排斥し、「統治権の主体は国家なり」、「天皇は之を総纜する
自然人なり」と云い、「天皇を国家機関と云いて誤る所なし」と云っているが、この点ど....
「運命のままに」より 著者:豊島与志雄
と云って英子は立ち上って、自分の室から美しいアルバムを持って来た。それには南洋の
自然人物の絵葉書が幾つも挾んであった。私は欝蒼たる熱帯の草木や、炎熱の下の人類や....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、りっぱな音楽家、りっぱな労働者、深遠な思想家、快活な好男子、ダニューヴの百姓、
自然人、などの役割を演じたりしていた……。他人に注目されてるかどうかを見るために....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ま、何処へでも飛びあるいた。彼は学校に通ったために、文明人になるよりも、かえって
自然人になるかのように思われた。 復習などは、ほとんど彼の念頭になかった。彼の....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
た。あるいは伴氏が、立樹を全部切ったのかも知れない。 彼はそこで牛などを飼い、
自然人の生活をやるつもりであったのかも知れない。二十何年ほど前の「改造」へ、彼は....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
た浮世絵のようなものであっても、一口に云って差しつかえのないと思う特徴は、複雑な
自然人生の中から何らか普遍的な要素を捉まえていて、そしてそれを表わすに最も簡単明....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
的民族としての原始的気魄が残っていると思った。天ノ岩戸の時以来の天真な、快活な、
自然人らしい空気が神楽のなかに伝統しているのだ。 女の見物などもきゃあきゃあ声....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いません。……どっちみち私にとりましては、人間も世間も嫌いでございます。ですから
自然人間や世間の、渦巻の中へ出て行って、事を行なおうなどとは思いません。しかし私....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
実に淡泊でコダワリのないものであったという。 この宮様などは人間が慾得を忘れて
自然人にちかい状態になったように感じられる。ジオゲネスの如きものだが、それよりも....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
もすぱりと越して了うんですな。第一処が変れば周囲の空気からして変るというもんで、
自然人間の思想も健全になるというような訳で……」斯う云ったようなことを一時間余り....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
際、彼女の死顔を見たものは、痛苦の本質そのものに面接したようにぞっとしたという。
自然人 お寺の門のところにどっかと胡座をかいた、微動だもせぬ、木像の安置せられ....
「動く絵と新しき夢幻」より 著者:小川未明
うことは即ち自分が形式に囚われないと云うことであろうと思う。何者にも囚われないで
自然人生を見ると云う気持、沁み/″\と感ずる気持が、真のシンセリティの気持である....