自然力[語句情報] » 自然力

「自然力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自然力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
はなかったかも知れない。まア静かに聞き給え、僕の問うたのは……」 「最も活動する自然力を支配する人間は最も冷静だから安心し給え。」 「豪《えら》いよ。」 「勿論....
ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
はらわた》や鼠の死骸は幾日も位置を動かなかった。両側の家々はなにか荒廃していた。自然力の風化して行くあとが見えた。紅殻《べにがら》が古びてい、荒壁の塀《へい》は....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
力強さでもって、あの悪病の兆《きざし》にもめげず、絶えず去勢しようと狙ってくる、自然力とも壮烈に闘っていて、いぜん害われぬ理性の力を保ちつづけていた。それには、....
」より 著者:島木健作
獄死という言葉が、今は冷酷な現実として自分自身に迫りつつある。今はもう不可抗的な自然力と化した病気の外に、磐石《ばんじゃく》のような重さをもってのしかかっている....
一兵卒」より 著者:田山花袋
よほど衰えてしまった。意識的に救助を求めると言うよりは、今はほとんど夢中である。自然力に襲われた木の葉のそよぎ、浪の叫び、人間の悲鳴! 「苦しい! 苦しい!」....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
しかえってこれらの最も古い考え方の中に進化論(すなわち、本来行われ来った既知の諸自然力の影響の下に宇宙の諸過程が自然的に進展するという学説)の胚子のようなものが....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た雪片が再び舞い上ってきて、たださえ仄暗い灯の行手を遮るのだった。やがて、凄愴な自然力に戦いている橡の樹林が現われ、その間に、二本の棺駐門の柱が見えた。そこまで....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て、無数の星を露出している。嵐は樹に吼え、窓に鳴って惨じく荒れ狂うている。世界は自然力の跳梁に任せて人の子一人声を挙げない。このとき私は胸の底深くわが魂のさめざ....
地軸作戦」より 著者:海野十三
今次戦に惨敗をくらった政権が猛然と立ち直り得るというのであった。 金博士は、大自然力を向うへ廻してのこの極めて困難なる大事業をわずかの燻製の魚類を代償に簡単に....
怪塔王」より 著者:海野十三
す。翼はいくたびか波浪にばっさりと呑まれそうです。人力ではどうすることもできない自然力の猛威です。 それでもわが小浜兵曹長は、飛びつづけました。それは二時間半....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
されるおそれがありますが、こういった荒凉たる神秘的な土地にあっては、千変万化する自然力のことを知らない人たちの笑い草になるようないろいろのことも、ありそうなこと....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
ことよりも、お寺|詣りに連れられる方が多かった。 僕は明かに世に二つの大なる超自然力のあることを信ずる。これを強いて一|纏めに命名すると、一を観音力、他を鬼神....
」より 著者:神西清
んでこんなことになった……こればかりはいかなる目測も急襲も突破はできまいな。……自然力さ。神と運命にはさからえない。……」 「そのとおりだ。だが人間が頭を授かっ....
渋温泉の秋」より 著者:小川未明
に溢れている。足の爪尖まで透き通って見ることが出来る。無限に湧き出ている礦泉は、自然力の不思議ということを思わせる。常に折よく、他に誰も入っていない時が多かった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
るためだと仏教では考えるのです。内外呼応して人間を刺戟するので、知らず知らずその自然力に押し迫られて青年男女は結婚という形式を以て――これは二人協力ですから比較....