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自然物
「自然物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自然物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
誰でも少し物を考える力のある人ならすぐわかることだと思いますが、生産の大本となる
自然物、すなわち空気、水、土のごとき類のものは、人間全体で使用すべきもので、ある....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
かった。で、そこにはたしかに、我々をこんなにも感動させる力を持ったまことに単純な
自然物象の結合があるのだが、その力を分析することは我々の知力ではとてもかなわない....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
リアリスティックな眼を肥やしたと云わねばなるまい。故寺田寅彦氏だったかと思うが、
自然物は拡大して見れば見る程精緻であるに反して、人工物は拡大して見る程粗雑だとい....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
う心は、寸を測るなどは、無用の沙汰とするかも知れませんね。」 M氏の言葉には、
自然物に親んで、自分の心を癒そうとするもののみが知る愛と抛擲とがあった。 私が....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
絵の構図ではないが、私は人間を見ていつも感心している事である。人間も偶然に出来た
自然物ではあるが其生きると云う必要上、種々雑多の諸道具類が実に都合よく、完全に備....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
形と色と調子の記憶力を完全に失ってしまった事である。それと共に、心の働きを極端に
自然物の陰へ追い込んでしまったものである。従ってここに心の動きの制限された処の、....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
化である限りに於て、即ち、それが如何なる物体の如何なる運動であるかとか、如何なる
自然物の如何なる変化であるかとかいうこととは全く無関係に、このような内容上の規定....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
の他も亦、一種の主観優位説(それが観念論のことだ)なのである。元来意識乃至観念と
自然物其の他とは、決して同格などではあり得ないのであり、なぜそれが同格であるかは....
「辞典」より 著者:戸坂潤
社会科学が人間の歴史的社会を研究対象とするに反して、自然科学は、この歴史的社会の
自然物的基礎となり又その歴史的発達の先行段階である処の自然を研究対象とする。自然....
「科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
学にとって文献的な価値があるとは、普通考えられていない。更にルクレティウスの詩「
自然物論」やギリシア自然学者の「物理学」の類は、もはや科学の古典でさえもなくて、....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の形見であった。彼は眼を上げて塚を見上げた。二十年もの年月を経ておりながら、この
自然物は昔とほとんど変化がなかった。岩は昔ながらの形に畳み上げられてあり、苔も昔....
「回想録」より 著者:高村光太郎
的根拠をはっきりと気がついたのはその栄螺の彫刻の時だ。 然し彫刻にしようとする
自然物の中にも彫刻性のあるものとないものとがある。例えば果物にしても桃は彫刻にな....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
からうねり出て来たものが、装飾美術になる。古代の器具や、野蛮人や農夫の器具に何ら
自然物にたよらぬ線状で(波状輪状等)美くしい装飾のあるのは即ちその一例で、その他....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
おける一事実」を読んでいただきたい。)『千載集』の詩はかくて、無限にゆたかなこの
自然物の中から、新しい材料を見つけ出すところに生れたものでなく、従来よく知られ、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ても他に融通が利くはずです。大自然は大きいから、何かで、伎倆で、智慧で、作物で、
自然物で、都合がつくはずです。しかしこの小遣銭がないとなかなか心細く、都合の悪い....