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「自然生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自然生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒中日記」より 著者:国木田独歩
、朝夕慕い寄り、乙女《おとめ》心の限りを尽して親切にしてくれる不憫《ふびん》さ。自然生《じねんじょ》の三吉が文句じゃないが、今となりては、外に望は何もない、光栄....
俊寛」より 著者:菊池寛
なって、硫黄ヶ岳の中腹などには、雪が降ったように、集っている。 生れて初めての自然生活は、俊寛を見違えるような立派な体格にした。生白かった頬は、褐色に焼けて輝....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
にか黙って咲いて居る。夏は白い山百合が香る。蛇が墓石の間を縫うてのたくる。秋には自然生の秋明菊が咲く。冬は南向きの日暖かに風も来ぬので、隣の墓守がよくやって来て....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
くらいであるが、高山植物の採集家として聞えた故城数馬氏は、日光の湯ノ湖を取り囲む自然生の石楠花の、いかに多く茂っていたかを、私に物語られ、今では蕩尽されて、僅に....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
車夫。 国手お抱えの車夫とあると、ちょいと聞きには侠勇らしいが、いや、山育ちの自然生、大の浄土宗。 お萩が好の酒嫌いで、地震の歌の、六ツ八ツならば大風から、....
人蔘の精」より 著者:田中貢太郎
。そして手につかんでいたものを見ると、十本ばかりの、それまで見たこともないような自然生の立派な人蔘でありました。....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
復ともにクモの巣の海を渡っているようなものであった。 彼がこの小屋で何年ぐらい自然生活したのか、私はよく知らないが、山中に自生する動物植物を食って、血気の仙人....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
になって、商品としての価値はますます向上して行くものです。それゆえ山葡萄のような自然生のものは、自家用の原料としては適当ですが、商品としてはほとんど価値を認めら....
都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
同じであるが、情夫たちはそれに従わざるを得ないような習慣が、彼女の手腕によって、自然生れてしまうのである。甚だしい時には、古顔がみんな追ッ払われて、その晩はじめ....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
下の配給、山の人々は眼を丸くした。はじめてのほどは、砂糖など平常用いると、山人の自然生活を損なうものであるといって配給を拒絶した。海の魚など、おっかねえと叫んで....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
って居る岩下にまた大きな霊泉がある。その名をチュミク・トンガア・ランチュン(見歓自然生泉)という。その名のごとく実に見て喜び、自然に嬉しい思いが生ずるです。 ....
小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
およそ病気と称するものはなに一つない。うまいものを食って、寝たいだけ寝る。野鳥の自然生活にすこぶる似ているのが、小生のあけくれである。 早寝、遅起き、昼寝好き....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
味の深いものがあるのであります。 都会と田舎を、言葉を換えて言えば、文化生活と自然生活と言えます。 文化生活は、人智の発達複雑化に伴って、自然生活から変化し....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
であるが故に子が多いのではなく、労働に衣食して、頭脳を用うることの少いものには、自然生殖力も強い事を示したので、彼らの生活は正にこれに匹敵したものであったであろ....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ある。これはその当時のエタが、通例村方からの扶持を得るほかに、皮革業を独占して、自然生活が豊かであり、ことに身分が賤しい為の自己慰安として、自然贅沢な暮しをする....