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自然石
「自然石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自然石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
く並んでいるのをかすかに照らした。 六十四 一年ほどして、そこに
自然石の石碑が建てられた。表には林清三君之墓、下に辱知有志と刻んであった。荻生さ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ござります。それがさ、石地蔵と申し伝えるばかり、よほどのあら刻みで、まず坊主形の
自然石と言うても宜しい。妙に御顔の尖がった処が、拝むと凄うござってな。 堂は形....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
痛めたので、跛足をひきながら、石の小舎へ来た。 石は人の手入れを経ない、全くの
自然石で、不思議にも中はおのずと、コ字形に刳ぐられていて、濶さは一坪半ぐらいはあ....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
見度がるのね。 ――お墓の問題よりその方が僕にゃ先きだ。 其処に転がっている
自然石の端と端へ二人は腰を下ろした。夏の朝の太陽が、意地悪に底冷えのする石の肌を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んまりとした一つの平地がございます。周囲には程よく樹木が生えて、丁度置石のように
自然石があちこちにあしらってあり、そして一|面にふさふさした青苔がぎっしり敷きつ....
「死ね!」より 著者:豊島与志雄
彼は、実用的なものよりも、不用なものを多く買った。或る時彼は、高さ一丈余の大きな
自然石――見様によっては狸が立ったようにも見える得体の知れぬ石を、しきりに買いた....
「必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
時は、幽霊が出ると云う青江の妖刀だったし、或る時は、ちょっと奇異な形をした丈余の
自然石だった。つまらないものばかり欲しがってる奴だな、と云うのをやめて貰いたいこ....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
られている。石段を上った平場に、玉石が敷きつめてあり、奥の石畳みの中央に、巨大な
自然石が三個立ててある。この祭壇の簡明清純さは、わが民族の潔癖性がわが民族の神性....
「田園の幻」より 著者:豊島与志雄
るのであるが、今は、四本の小さな杉が、大きな岩の四方に植えられている。岩はただの
自然石で、昔はその上に小さな祠があった由。堤防のこちら側の裾のところである。その....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
。その雨脚や陽脚を、長谷川は二階から眺めていたが、ふと、庭の片隅に眼がとまった。
自然石が配置されてる石南花の茂みの中に、鳥らしいものがひそんでいる。鶏か鳶か鷹か....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
幅が広いや」 「箱根の白糸滝になぞらえて作ったやつよ」 可成り広い池の対岸に、
自然石を畳んで、幅二間、高さ四間ほどの岩組とし、そこへ、幅さだけの滝を落としてい....
「『田舎教師』について」より 著者:田山花袋
行くと、いつもきまって私はその墓の前に立った。 そこにはすでに友人たちの立てた
自然石の大きな石碑が立てられてあった。そこに、恋もあり、涙もあり、未死の魂もあり....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
。 二人の送って来てくれたところは、村境とみえて、そこには夕暗にも著く、大きな
自然石を並べた橋が架かって、橋の向うはもう坦々たる村道になっているのです。遥か彼....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
あなた方の御先祖が
ただ何と云う事もなく、一つ目のキクロオプスの
為事のように、
自然石を直に
自然石の上に
倒し掛けて、積み上げた石垣とは違う。あっちでは
何もか....
「澪標」より 著者:外村繁
あるわ。けんど、梅は酸いさかい、ほない好かん」 「砂の中へ入ると、おこられるぞ」
自然石を土で重ね、その上にむべ垣がある。それを廻ると、苔を敷き詰めた前栽である。....