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「自然薯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自然薯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
で金を埋めて置くてえのは金持は違わア」 新「早く堀らねえと彼処《あすこ》の山は自然薯《じねんじょう》を堀りに行《ゆ》く奴が有るから、無暗《むやみ》に遣《や》ら....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
方でもなかったが、炊《た》き立ての麦飯の香ばしい湯気に神仙の土のような匂いのする自然薯《じねんじょ》は落ち付いたおいしさがあった。私は香りを消さぬように薬味の青....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
りでハハハと笑った。 「そんなら君は何だい」 「僕か、そうさな僕なんかは――まあ自然薯《じねんじょ》くらいなところだろう。長くなって泥の中に埋《うま》ってるさ」....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、それから」 侍「ところが段々聞くと両親もなく、只一人|斯る山の中に居って、躬ら自然薯を掘って来るとか、或は菌を採るとか、薪を採るとか、女ながら随分荒い稼ぎをし....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
根は甘味があって旨え、それに沢庵もおつだ、細くって小せえが、甘味のあるのは別だ、自然薯も本場だ、こんな話をすると何か喰いたくなって堪らねえ」 長「よく喰いたが....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
子供は五勺ずつ。 こんな日がやがて十日も続いた。村内には松の樹の皮を米にまぜ、自然薯なぞを掘って来て飢えをしのぐものもできた。それを聞くと、半蔵は捨て置くべき....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
里の幡ヶ谷に下ろすより四里の神田へ持って行く。 茶の花が咲く。雑木林の楢に絡む自然薯の蔓の葉が黄になり、藪からさし出る白膠木が眼ざむる様な赤になって、お納戸色....
温泉」より 著者:梶井基次郎
。田植で泥塗れになった動物がピカピカに光って街道を帰ってゆく。それからまた晩秋の自然薯掘り。夕方山から土に塗れて帰って来る彼らを見るがよい。背に二貫三貫の自然薯....
十二支考」より 著者:南方熊楠
いわく、ある侍今日は殊に日和《ひより》よしとて田舎へ遊山《ゆさん》に行き、先にて自然薯《じねんじょ》を貰《もら》い、僕《しもべ》に持せて還る中途|鳶《とび》に攫....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
の山の独活、これは字も似たり、独鈷うどと称えて形も似ている、仙家の美膳、秋はまた自然薯、いずれも今時の若がえり法などは大俗で及びも着かぬ。早い話が牡丹の花片のひ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
白に日が当る。 やがて、二|分が処|上った。 坂路に……草刈か、鎌は持たず。自然薯穿か、鍬も提げず。地柄縞柄は分らぬが、いずれも手織らしい単放を裙短に、草履....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
方に誘って、晴れてるとこんな形の峰があそこに見える筈なのだと、五本の指をひろげて自然薯のような形にして見せた。 その次に停まったのはヴェンゲン。相当な町のよう....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
のか。 薬でも、とろろはあやまる。……誰もご馳走をしもせぬのに。とうとい処女を自然薯扱い。蓼酢で松魚だ、身が買えなけりゃ塩で揉んで蓼だけ噛れ、と悪い虫めら。川....
東京で自慢の鮑」より 著者:北大路魯山人
量の塩で揉み固め、石のようになったのを、おろし金で薯をおろすようにおろし、それを自然薯と等半にすり混ぜて、とろろ汁をつくる。至極簡単でいて、素人作とは思えぬ気の....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
う自画自賛の言葉が付け加えられていた。 私には異議がある。 この時の料理は、自然薯をゆで、別に枝豆もゆで、これを摺り潰してまぶし、多少の味をつけたものであっ....