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「自用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
。官邸を引き払った時に召仕《めしつかい》の数を減らした彼は、少時《しばら》くして自用俥《じようぐるま》を廃した。しまいにわが住宅を挙げて人手に渡した頃は、もうど....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ぎごちなく感じた。――或る人の書いたものの中に、余りせち辛《がら》い世間だから、自用車《じようしゃ》を節倹する格で、当分良心を質に入れたとあったが、質に入れるの....
あひると猿」より 著者:寺田寅彦
と思うと同時に車体が傾いて危うく倒れそうになって止まった。西洋人のおおぜい乗った自用車らしいのが十字路を横から飛び出してわれわれのバスの後部にぶつかったのであっ....
路傍の草」より 著者:寺田寅彦
や自動車も少なくも東京市中ではあまり落ち着いた気分を養うには適しないようである。自用車のある場合はあるいはどうかもしれないが、それのない者にとっては残る一つの問....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
」 源「熱いのう、其方は感心な奴だと常々兄上も褒めていらっしゃる、主用がなければ自用を足し、少しも身体に隙のない男だと仰しゃっている、それに手前は国に別段|親族....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
クラクソン》が鳴るじゃないか。なるほど乗合自動車《オムニバス》はやっとロンドン市自用車疾走区域に入った。 汽船会社が始まった。また汽船会社がある。何とかドック....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
の外にはどんな酒にも唇を濡そうとしなかった。何かの会合で出かける場合には、いつも自用の酒を瓢に詰めて、片時もそれを側より離さなかった。 ある時、土佐の藩主山内....
田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
―――――――――――――――― 翌日の午後二時半にピエエル・オオビュルナンは自用自動車の上に腰を卸《おろ》して、技手に声を掛けた。「ド・セエヴル町とロメエヌ....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
かを識別する如く、私はその頃の人力車のあらゆる形式を覚えてしまった。殊に往診用の自用車というものに憧憬を持ったものである。そして毎日人力車の種々相を描く事を楽み....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ここは新型の自動車に自動車学校の教授格の運転手をひとり附けて、一週間でも一月でも自用車として貸切りにするところなのである。はじめに保証の金を置けばリヴィラのなか....
初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
有名な人気女優のMYであった。劇場から差しむけの迎えの自動車であろうか、それとも自用車であろうか、とつまらぬ議論をしたことであった。 そんなことを考えているう....
ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
め》、頭上に買い物を載せてくる女たち、英吉利旦那《イギリスマスター》のすばらしい自用車、あんぺらを着た乞食《こじき》ども、外国人に舌を出す土人の子、路傍に円座し....
決闘」より 著者:神西清
人は茶亭へ行った。この茶亭をサモイレンコはわが家同様に心得て、茶碗などもちゃんと自用のが備えつけてある。毎朝彼に出る盆には、コーヒーが一杯、背の高い切籠のコップ....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
うことです」 と伝えられた。取るものも取りあえず駈戻《かけもど》ったが、須磨子は自用の車で、他の者は自動車だったので、一足さきへついたものは須磨子の帰るのを待つ....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
、たいそう苦しめられておりますのでございます」 「他人の金を預かっておきながら、自用にまわしたりするのが悪いのだ」 「わたしはおせい様に、お前さまには女房があっ....