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自由民
「自由民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自由民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近時政論考」より 著者:陸羯南
全局は以上に述べたるがごとし。この間において政論は幾分か高尚の点に向かって進み、
自由民権の説はかの王権および政府権威の理とともに世人のようやく講究するところとな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
回目に十六か村の戸長らが連署してこの事件を持ち出した時は、あだかも全国に沸騰する
自由民権の議論の最高潮に達したころであるから、したがって木曾谷人民の総代らも「民....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ており、馬車がレールの上を走っていた。ほとんどすべての新聞社はこの界隈に陣取って
自由民権の論陣を張り、洋品店洋服屋洋食屋洋菓子屋というようなものもここが先駆であ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
出来ない(野蛮人=バルバロスとはギリシャ語が上手に喋れない吃音のことだ)。奴隷と
自由民とは風俗上厳重な境界を引かれているので、一々奴隷に対して同類感を催さずにす....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
級と被征服者の階級とが控えている。 再び『共産党宣言』を借りれば、「ギリシャの
自由民と奴隷、ローマの貴族と平民、中世の領主と農奴、同業組合員と被雇職人」はすな....
「科学論」より 著者:戸坂潤
較的大衆化された所有者を発見したが、併しそれにも拘らず、奴隷経済の上に立つ支配者
自由民のものであったことは云うまでもない。ヨーロッパの中世には僧侶と貴族との科学....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
、おのずから一定の方向を持っていた(この方向は云うまでもなくわが国の明治初期の「
自由民権」思想となる)。エドモンド・バークによって代表されたイングランドの保守主....
「桜の園」より 著者:神西清
笑う)解放令が出た時にゃ、わたしはもう下男頭になっておりました。あの時わたしは、
自由民になるのはご免だと申して、引きつづきご奉公をいたしましたよ。……(間)当時....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
、夫は只泣き寝入りの外はなく、妻はしたい放題……と云わねばなりません。とすれば、
自由民主主義下の現代道義はどうして維持するのでしょうか? それでは、自分勝手ばか....
「地上」より 著者:島田清次郎
あった。最初は当時の中央政界で志を得なかったY氏が故郷に退いて静かに力を蓄えつつ
自由民権の思想を青年に浸潤させようために結ばれた政治結社だったが、明治二十三年に....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
、澎湃として洪水のごとく侵入してきた。すなわち英、米の自由独立の思想、フランスの
自由民権の思想などというものが縦横に交叉して紹介され、主張され、唱道され、宣伝さ....
「赤い花」より 著者:田中貢太郎
明治十七八年と云えば
自由民権運動の盛んな時で、新思潮に刺戟せられた全国の青年は、暴戻な政府の圧迫にも....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
らかにし、区別のなくなった前例を調査することが、この区別を撤去し、彼らを事実上の
自由民たらしむる上に、最も必要なことだと考えております。彼らを改善救済するという....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
る。しかしながら事実は必ずしも然らず、従来|部曲等の名を以て貴族の私民となり、半
自由民の地位にあったものを解放して、公民すなわち「百姓」となしたに止まり、奴婢階....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
直属の民ではなく、各自その主人の下に、代々相ついで農業工業等に従事した、言わば半
自由民の身分でありました。そして賤民はさらにその下に置かれたのです。 賤民の起....