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自縄自縛
「自縄自縛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自縄自縛の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
のなり。
破していわく、汝《なんじ》提宇子《でうす》、この段を説く事、ひとえに
自縄自縛《じじょうじばく》なり、まず DS《でうす》 はいつくにも充ち満ちて在《....
「或る女」より 著者:有島武郎
事なく、優婉《ゆうえん》に円滑に男を自分のかけた陥穽《わな》の中におとしいれて、
自縄自縛《じじょうじばく》の苦《にが》い目にあわせているに違いない。しかし現在の....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
を極めた……そうして、それと同じ程度に浅薄幼稚を極めた思い付きであった。……その
自縄自縛を切り抜けている一人二役式の思い付きの非凡さ……MとWの使い分けの大胆さ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
に応える言葉を知らなかった。窓のところの証拠固めは彼がしたのであったから、今彼は
自縄自縛の形になってしまったわけだ。 検事は、それごらんといいたげな顔。 「甚....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
ですから、そちらへ手紙を貰うことにしたのです。……それから、僕の心持のうちには、
自縄自縛する気もあったでしょうし、凡てを彼女の手中に託して捨鉢になる気もあったで....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
全然ウダツがあがらぬもので、三日四日とだんだん自分のヘタさが我が目に立つばかり、
自縄自縛というものだ。 ところでその何日目かのことであるが、私が大学の三年間、....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
逢ったひとには、ちょっとこう、いっぷう変っているように見せたくてたまらないのだ。
自縄自縛という言葉がある。ひどく古くさい。いかん。病気ですね。君は、文科ですか?....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
なかった。 出邸にこもった数十人の者が、夜も昼も警戒していた。 「ああこれこそ
自縄自縛だ。出邸に人数を配ったのは、他でもないこの俺だ。その人数に見張られるとは....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
なるが、自身に対しては「代々の撰集世々の歌仙、詠み残せる風情あるべからず」という
自縄自縛になってしまう。しかも為兼が、家伝なきによって見苦しいことを詠むのだと批....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
のみか、却って正義だなどと、力めば力むほど、身をやぶり、人に迷惑をかけ、その通り
自縄自縛というものに落ちるのだよ。……どうだ武蔵、見晴らしがよかろう」 「坊主、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
人の名を洩らしかけたが、邪推ぶかい紐の宅助に、これ以上な気を廻させては、いよいよ
自縄自縛の因を招くばかりと思いなおして、ホ、ホ、ホ、ホ、と取ってつけたさびしい笑....
「三国志」より 著者:吉川英治
し、退こうとすれば、部下を督戦して叫んでいる自己の言を裏切るものだし、曹操もまた
自縄自縛に陥ってしまうような苦戦だった。 かくと見て、曹操のそばへ、馬をとばし....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
数の社会を相手に生活せねばならぬ境遇にいるところのこれらの人々の多数は、いきおい
自縄自縛に陥るの虞れはないでありましょうか。そのもっとも希望するところの職業の自....