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「自縛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自縛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
り。 破していわく、汝《なんじ》提宇子《でうす》、この段を説く事、ひとえに自縄自縛《じじょうじばく》なり、まず DS《でうす》 はいつくにも充ち満ちて在《まし....
或る女」より 著者:有島武郎
く、優婉《ゆうえん》に円滑に男を自分のかけた陥穽《わな》の中におとしいれて、自縄自縛《じじょうじばく》の苦《にが》い目にあわせているに違いない。しかし現在の葉子....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を伝えに来たとの風聞があった。それらの使者がいずれも深い笠をかぶり、帯刀も捨て、自縛して官軍本営の簷下に立たせられた姿は実にかわいそうであったとか。その時になる....
地獄の使者」より 著者:海野十三
える言葉を知らなかった。窓のところの証拠固めは彼がしたのであったから、今彼は自縄自縛の形になってしまったわけだ。 検事は、それごらんといいたげな顔。 「甚ださ....
今日の生活と文化の問題」より 著者:宮本百合子
代フランス社会の矛盾をもっていたか、つまりはその矛盾がフランスの支配者たちを自繩自縛におとし入れ一般の人民はその結果に耐えなければならない運命におかれたのだとい....
狐の姐さん」より 著者:宮本百合子
の本能がある」いつからか一般人の知識にこんな文句が入り込んで、その固定観念で自繩自縛に陥っている、そんな気がした。所有欲は本能だというのも同じだ。 七月○日 ....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
から、そちらへ手紙を貰うことにしたのです。……それから、僕の心持のうちには、自縄自縛する気もあったでしょうし、凡てを彼女の手中に託して捨鉢になる気もあったでしょ....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ウダツがあがらぬもので、三日四日とだんだん自分のヘタさが我が目に立つばかり、自縄自縛というものだ。 ところでその何日目かのことであるが、私が大学の三年間、親の....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
たひとには、ちょっとこう、いっぷう変っているように見せたくてたまらないのだ。自縄自縛という言葉がある。ひどく古くさい。いかん。病気ですね。君は、文科ですか? こ....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
。それとも白砂へ駆け込むか。気の毒ながら手前だって、明い体じゃよもあるめえ。自繩自縛とは汝がこと、ハイ左様なら俺は行く。二度と呼ぶな返りゃしねえぞ」 尻ひっか....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
った。 出邸にこもった数十人の者が、夜も昼も警戒していた。 「ああこれこそ自縄自縛だ。出邸に人数を配ったのは、他でもないこの俺だ。その人数に見張られるとは、な....
沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
は、斯ういう事情から、事実以上に宣伝されて、そのために船長も会社も、ちょっと自繩自縛的に困惑を感じていた位いなのだった。が、品物が出来て渡して終ってから、けちを....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、結局《つまり》は、釘抜一座の幽霊仕掛に乗って、いたずらに発覚を早めただけの自繩自縛《みからでたさび》に終った。 証拠の品はことごとく自分の懐中へ移したのが、....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
が、自身に対しては「代々の撰集世々の歌仙、詠み残せる風情あるべからず」という自縄自縛になってしまう。しかも為兼が、家伝なきによって見苦しいことを詠むのだと批難さ....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
社会を相手に生活せねばならぬ境遇にいるところのこれらの人々の多数は、いきおい自縄自縛に陥るの虞れはないでありましょうか。そのもっとも希望するところの職業の自由が....