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自習
「自習〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自習の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
心を持ち、弥生町《やよいちょう》の寄宿舎へ帰って来た。窓|硝子《ガラス》の破れた
自習室には生憎《あいにく》誰も居合せなかった。僕は薄暗い電燈の下《した》に独逸文....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
も考えていない証拠《しょうこ》だとしか取れなかった。彼女は鎌倉へ行ってから水泳を
自習し始めて、今では背の立たない所まで行くのが楽みだと云った。それを用心深い百代....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
なって、何とかいうばかに長っ細い曹長が来た。この曹長はよく妙な手帳をひろげては、
自習室を廻ってみんなの顔とそれを見くらべていた。ある時僕はそっとその手帳をのぞき....
「海流」より 著者:宮本百合子
って」教室じゅうを見廻しながら、告げられたことをただ伝えるという顔で云った。 「
自習にして下さいって」 「じゃ、いよいよ本当なんだわ、まア! どうしましょう」 ....
「杉子」より 著者:宮本百合子
ているような罪悪感は一つもつかめなかった。かくれて教わったという実感さえなくて、
自習時間の時のような感じがある。誰もいい点を採ろうとして教えっこしたりしたのでは....
「伸子」より 著者:宮本百合子
。 四五日で三月になろうとするある晩のことであった。 伸子は独り部屋にいた。
自習時間で、寄宿舎中、最も静かな時刻であった。時々、コンクリートの廊下を歩く、小....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
しく見えるほど、元気よく、一生懸命にすべてのことにつとめた。店の仕事はもちろん、
自習している数学や英語にでも、今までの倍ほどの努力を惜しまない。そして、わざわざ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
取場所 福岡県|鞍手郡|直方町日吉町二〇番地ノ二、つくし女塾の二階八畳、呉一郎の
自習室兼寝室に於て――
▼同席者 呉一郎(十八歳)被害者千世子の実子、伯母八代子....
「ワーニカとターニャ」より 著者:宮本百合子
ついての討論があった。自己批判だ。ターニャはその時、おかっぱを活溌にふりながら、
自習時間がやかましいことや、自治に対してみんなが無責任だ。いたずらに外套をかくし....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
るために帰宅した後でも警報が鳴れば登校し、たくさんの役合を仰せつかるようになり、
自習する暇も、考える時さえ縮められていった。戦争、戦争、そのことが一時も頭をさら....
「生活」より 著者:林芙美子
を引いて一字の上に何時までも停滞していることが、一番なさけない。私の字引は、学生
自習辞典と云うので、これは、私が四国の高松をうろうろしていた時に七拾五銭で買った....
「春」より 著者:豊島与志雄
は学校も休みがちになっていた。そして、友人達が出かけていった後、がらんとした広い
自習室に一人残って、ぼんやり考えるのであるが、それが変に頼り無いので、のこのこ寝....
「死屍を食う男」より 著者:葉山嘉樹
の光、月の光に見渡された。 人数に比べて部屋の数が多過ぎるので、寄宿舎は階上を
自習室にあて、階下を寝室にあててあった。どちらも二十畳ほど敷ける木造西洋風に造っ....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
反省」してみせるというやり方が、そう珍らしくはなかつた。 或る日のこと、それは
自習時間といつて、夕食後から寝に就くまで、
自習室に籠つてそれぞれ学課の予習復習を....