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自虐
「自虐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自虐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
いていたのだった。 一つには、そんな場面をうつすことで、無意識のうちに、なぜか
自虐的な、そして反撥的な快感があった。が、その理由は木崎自身にもよく判らない。 ....
「競馬」より 著者:織田作之助
あろうと頓着《とんちゃく》せず、勝負にならぬような駄馬《バテ》であればあるほど、
自虐《じぎゃく》めいた快感があった。ところが、その日は不思議に1の番号の馬が大穴....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
た。ひそかに抱いていた性的なものへの嫌悪に逆に作用された捨鉢な好奇心からだった。
自虐めいたいやな気持で出て来た途端、思い掛けなくぱったり紀代子に出くわした。(変....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
をひらけば駄洒落か七五調、すまじきものは宮人気取った風流口調の軽薄さ。おまけに、
自虐か自嘲か、われよりアバタを言い触らすとは、いっそ破れかぶれか……。 「いや、....
「馬地獄」より 著者:織田作之助
の色が濃い。そんな光景を立ち去らずにあくまで見て胸を痛めているのは、彼には近頃|
自虐めいた習慣になっていた。惻隠の情もじかに胸に落ちこむのだ。以前はちらと見て、....
「雨」より 著者:織田作之助
た。ひそかに抱いていた性的なものへの嫌悪に逆に作用された捨鉢な好奇心からだった。
自虐めいたいやな気持で楽天地から出てきたとたん、思いがけなくぱったり紀代子に出く....
「蛍」より 著者:織田作之助
じっと見入っている時と同じ気持になり、それは何か自分の指を噛んでしまいたいような
自虐めいた快感であった……。 赤児の泣声はいつか消えようとせず、降るような夏の....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
泊った。いや、わざと汚ない楼をえらんで、登楼した。そして、自分を汚なくしながら、
自虐的な快感を味わっているようだった。 しかし、彼とても人並みに清潔に憧れない....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
吉の初期の短歌の如く新感覚派にも似た新しい官能の文学であろうか、あるいは頽廃派の
自虐と自嘲を含んだ肉体悲哀の文学であろうか、肉体のデカダンスの底に陥ることによっ....
「郷愁」より 著者:織田作之助
事の報酬が全部封鎖されるとしても、引き受けた仕事だけは約束を果さねばならないと、
自虐めいた痛さを腕に感じながら、注射を終った。 書き上げたのは、夜の八時だった....
「勝負師」より 著者:織田作之助
かえってこれでもかこれでもかと坂田を苛めぬく結果となってしまったというのも、実は
自虐の意地悪さであった。私は坂田の中に私を見ていたのである。もっとも坂田の修業振....
「中毒」より 著者:織田作之助
い。おれは別れることにこんなに悲しんでいるのだという姿を、女にも自分にも見せて、
自虐的な涙の快感に浸っていたのだろう。泣いている者が一番悲しんでいるわけではない....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
、やはり好きなアルコールをやめなかった。自分でも悪いと思っていたのだろう。だから
自虐的に、武田麟太郎失明せりなどというデマを飛ばして、腹の中でケッケッと笑ってい....
「好奇心」より 著者:織田作之助
盲腸という無用の長物に似た神秘のヴェールを切り取る外科手術! 好奇心は満足され、
自虐の喜悦、そして「美貌」という素晴らしい子を孕む。しかし必ず死ぬと決った手術だ....
「雨」より 著者:織田作之助
えてみなくては気に済まぬ性質であった。嫌悪しているものに逆に心を動かされるという
自虐のからくりには気がつかなかった。ある朝、妓が彼の為に林檎をむいている姿を見て....