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自製
「自製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自製の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
ろで》をしたのがある。あれでも足袋は売れるかしらん。今川焼は一銭に三つで婆さんの
自製にかかる。六銭五厘の万年筆《まんねんふで》は安過ぎると思う。 世は様々だ、....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
聞こえる単語や、間投詞でおよその事件の推移を臆測し、そうして自分の頭の中の銀幕に
自製のトーキー「東京の屋根の下」一巻を映写するのである。 それで「パリの屋根の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
マイルを遠しとせず見に往った。生きた豕の愛が※豕肉にまで及んで、宴会に趣くごとに
自製の※豕肉をポケットに入れ往き、クックに頼んで特に調味せしめた(サウゼイの『随....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
の一週間を、博士は出発の用意に専念した。すなわち、わざわざ大きなトランクを三つ、
自製し、そのトランクの中へ、これまた博士
自製のこまごましたものをいろいろと詰めこ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
がかれは撃剣の達人なので打撃はうまかった、かれはさるまた一つとシャツ一枚の姿で、
自製のバットでノックをする、それは実に奇妙ふしぎなノックであった、先生の打つ球に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てんゆう》と申すべきほどに無難でありました。 無難とはいうが、なにしろ、一葉の
自製船を以て、世界の太平洋中に約一カ月を遊弋《ゆうよく》したものですから、その苦....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
とき、倫敦でライオンと云う有名なカフェーへ幾回も行った。そしてそのつどに必ず同店
自製のクリームのついたケーキを試食したが、何故かいつも腐敗の気味があって甚だまず....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
スポーツライターと読者だけがその常識を信用するのじゃなくて、その実技の専門家まで
自製の「常識」を信仰してしまうのだから、かなわない。 専門家に不可能の常識があ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
数寄を凝らした。地震で焼けた向島の梵雲庵は即ち椿岳の旧廬であるが、玄関の額も聯も
自製なら、前栽の小笹の中へ板碑や塔婆を無造作に排置したのもまた椿岳独特の工風であ....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
に思われます。時折百姓たちが素晴らしい胴乱を腰に下げているのを見かけます。多くは
自製の品であります。煙草具で更に面白い一種のものがあり、呼んで「じんぎり」といい....
「三国志」より 著者:吉川英治
ります。のみならず、近ごろ彼の弟、淮南の袁術も一時は自ら帝位を冒していましたが、
自製皇帝の位も持ちきれなくなり、兄袁紹へ例の伝国の玉璽を贈って、兄に皇帝の名を取....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
に、以前の玩具はほぼ三通りに分けることができたようである。最も数多いのは子どもの
自製、拾ってすぐ棄てる草の実やどんぐりのようなものから苗株あねごとか、柿の葉人形....
「それから」より 著者:夏目漱石
あった。資生堂で練《ねり》歯磨を買おうとしたら、若いものが、欲しくないと云うのに
自製のものを出して、頻《しきり》に勧めた。代助は顔をしかめて店を出た。紙包を腋《....