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自認
「自認〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自認の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
彼等を羨《うらや》んだ。時には彼等を妬《ねた》みさえした。しかしその嫉妬や羨望を
自認することは肯《がえん》じなかった。それは彼等の才能を軽蔑している為だった。け....
「運命論者」より 著者:国木田独歩
《この》三年の月日は彼をして自然に返らしたのです。けれども彼は未《ま》だ其自然を
自認することが出来ず、何処《どこ》までも自分を以前の父の如《ごと》く、僕を以前の....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
たのは、自分が若《も》し捕かまったら三日か四日目にアジトを吐くという、敗北主義を
自認していることになる。だが、これはおよそボルシェヴィキとは無縁な態度である。こ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
めに挙げた一例に過ぎない。 私の軍事科学の説明が甚だ不十分であることは、固より
自認するところである。しかしかくの如き総合的社会現象を完全に科学をもって証明する....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
るに同じ、余は殆ど返す可き言葉を知ず、あゝ余は竟に此詮索を廃す可きか、余の過ちを
自認す可きか。 余が殆ど思い屈したる折しも昨夜の約束を忘れずして目科は余の室に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ことではなくても、少なくともラッパチーニとその娘には無断でここへ立ち入ったことを
自認すべきものかどうか。そんなことは別に考えていなかったので、その瞬間すこしくあ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
生はピエロなんです。私はそれをハッキリ自覚しているのです。それは世間にはピエロを
自認するニヒリストは有り余るほどおりますよ。然し、彼らがピエロでしょうか。ウソで....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
であり、つまり敗戦と共に亡びて然るべき誤れる憂国者、誤れる道徳家、唯我独尊的愛国
自認者であるにすぎない。 私はむしろこの悪条件の下で、却って秩序が保たれすぎる....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
たが――でも、その社会の天使たち★の中に、態度や容姿で自分が母であるということを
自認しているたった一人の人妻さえ見つけ出すことがむずかしい、ということがわかった....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
深く響きました。普通の意味ではそのとおりでしょう。私はそれも認めます。そしてその
自認からあなたの運命が輝かされて、大きな 〔u:bermenschlich〕 な....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
以て、目下における必要なる事業と思惟し、これを以て史家当然の責務の一つたることを
自認するものである。余輩が微力を顧みず、本誌を発刊するに至った理由の一つの実にこ....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
てみたいと思う。 ハチヤ・チャセンの徒が後世までも自ら空也上人の門流たることを
自認していた次第は、前記の永山・倉光両君の文に見えているが、彼らは実に上人と深い....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
うなってしまいましたか、今日奥羽地方の何処を尋ねてみましても、そんな民族に属すと
自認するものは一人も住んでおりません。彼らはいつの間にか、奥羽地方から消えてしま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
刑法というものができあがった。誰だって、人間である限り、自分の判断を真に正しいと
自認することはできない。そして、何百年の間人類の正義の判断は、恐怖と愚劣と迷信と....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
見れば大体は自分の職業守護から、その型に入りやすく型を護ることの当然であることを
自認しているのが常識である。それに背くことはいわゆる型破り者として、世間の迎うる....