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自説
「自説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
自説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
面を、顧慮する如きは、姑息《こそく》の見《けん》であると云う。――二人は、各々、
自説を固守して、極力|論駁《ろんばく》を試みた。
すると、老功な山崎が、両説と....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
お島婆さんの家と隣り合った、左官屋の所まで来かかったからでしょう。泰さんはその上
自説も主張しないで、油断なくあたりに気をくばりながら、まるで新蔵の身をかばうよう....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
ものである」 ゲビスの熱弁は、すべての人を動かした。剛復《ごうふく》な、かつて
自説を曲げたことのない艦長でさえしばらくの間、黙っていた。 提督の顔にも、著し....
「乱世」より 著者:菊池寛
けずにはいなかった。神籤のために、嫌々ながら、東下論に従っていた恭順論者は、再び
自説を主張し始めた。かくて、一藩はまたもや激しい混乱に陥った。 東下論の主張者....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
美の辞を述べ『いくら褒めても褒め足りない』と言っている。それでスウェデンボルクは
自説と、一般によく事実に相当するものと認められたニュートンの説との折合をつけるた....
「海底大陸」より 著者:海野十三
とでありますので、ほんとうなら、ここに臨席していられる長良川博士の前に、くわしく
自説を講演し、その教えをこいたかったのでありますが、会長は結論をいそいでいられる....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るくらいだよ」
「ウン、たしかに心霊主義だ」と検事が暗然と呟くと、法水はあくまで
自説を強調した。
「いやそれ以上さ。だいたい、楽器の心霊演奏は必ずしも例に乏しい....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
を泛べたが、検事は腿を叩いて、 「ウン、それに違いない。」と法水に同意してから、
自説を云い出した。 「ねえ熊城君、死体は他殺死体には類例のない妙な格好で、跼んだ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
すが、本当に揃っているのでありまして、不思議というほかないのであります」 兵は
自説をくりかえした。 そうなると、長谷部大尉も、ふーむとうならないわけにゆかな....
「笑について」より 著者:岸田国士
ら、どうしても三週間経てば起さなくちやいかん。」内科の先生はそれに対して頑として
自説を固守して「いや/\、それは内科の医者としては絶対に起すことには反対だ。そう....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
その間、浄善は何をしていたと云う事になってしまうぜ」 「では、毒物が……」検事が
自説を述べようとするのを、法水は抑えて、 「所が支倉君、ここに途方もない逆説があ....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
は彼等に比して〈敗〉北したことの記憶を持たない。然るに何の理由を以て、彼等は独り
自説を強行するのであるか。 彼等の吾々と異なる所は、唯彼等が暴力を所有し吾々が....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ではあったが、この点では多くの人々が少なくとも彼と同等であった。だがしかし、彼が
自説を守る荒々しさにはなにびとも匹敵できなかった。ハステラーは相手を説き伏せるこ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
この大阪にないと、私は思うね」 こう、加えたのが、島であった。 それで松島は
自説の弁護を始めた。 「いやわしはあんな別嬪をちょっと生れて見たことがない」 「....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
にここのところをこう書いてあります。 ここにおいて文殊師利、維摩詰に問う。我ら各
自説き自れり。仁者、まさに説くべし。何等をかこれ菩薩、入不二法門という。時に、維....