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「自讃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自讃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
木の子説法」より 著者:泉鏡花
うになった。苦心談、立志談は、往々にして、その反対の意味の、自己|吹聴と、陰性の自讃、卑下高慢になるのに気附いたのである。談中――主なるものは、茸で、渠が番組の....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
、左大臣殿とて……」と、言いさして彼女は、ほほと軽く笑った。 これはあながちに自讃でない。玉藻ほどの才女ならば、ひそめるその力を利用して、頼長めを殿上から蹴《....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
そうです。|罪と災の深さを貫き、|吾が十字架の測鉛は垂る――ですからな」と法水が自讃めいた調子でホイッチアを引用すると、クリヴォフ夫人は冷笑を湛えて、 「いいえ....
単独行」より 著者:加藤文太郎
意思の薄弱なのを棚に上げ、山の驚異や退却の困難をとき、適当な時期に引揚げたなどと自讃し、登山に成功したのよりも偉大な如くいう人がある。 しかし山を征服しようと....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
は、かかる季節には必ず床の間の軸物が取かえられた。初秋に出る掛物は常に近松の自画自讃ときまっていた。それは鼠色の紙面へ淡墨を以て団扇を持てる女の夕涼みの略図に俳....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
夜とアベコベのことを云って、益々私を怒らせたのである。 つまり、この婆さんは、自讃の効能が一向に現れないといわれると、平然と前言をひるがえして、勝手な理窟をこ....
回顧と展望」より 著者:高木貞治
部長かなんかに成ったときに就任演説をやった.その時に,ドイツの科学の進歩を大いに自讃したわけである.それで外国人が頻りにドイツへ科学を勉強に来る.アメリカからも....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
うちで困るのは「現代の青年はカラ駄目だ」という事と「普通の小説家なら……」という自讃的の語である。自分が小説をかいて、人の小説を自分のに比べて攻撃するのはいやな....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
えずこういう句を作りました。 一つ根に離れ浮く葉や春の水 この句を立派な句だと自讃するのではありませんが、かかる事情のもとに生まれ出た句であることを申し上げて....
作家の手帖」より 著者:太宰治
、ヤサシイ母サン。 やたらに続けて唄うのである。私は奇妙に思った。まるで、自画自讃ではないか。この奥さんには三人の子供があるのだ。その三人の子供に慕われている....
惜別」より 著者:太宰治
日も早く西洋の科学を消化して列国に拮抗しなければ、支那もまた、いたずらに老大国の自讃に酔いながら、みるみるお隣りの印度の運命を追うばかりであろう。東洋は古来、精....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
これは講中の者から贈ってよこしました花遊《かゆう》と申す美酒でございます、美酒と自讃を致すのもいかがなものでございますが、ともかく、関東としては、ちょっと風味の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がここまで漕《こ》ぎつけた苦心労力のほどを、ちっとお察し下さい」 と言って金公が自讃するところは何かと言えば、今まで素人《しろうと》の娘が異人の妾《めかけ》にな....
法然行伝」より 著者:中里介山
房が見ないものはあるとしても、法然房が見た程の文章を公胤が見ないのはあるまい」と自讃して浄土決疑抄三巻を著わして撰択集を論難し、学仏房というのを使として法然の室....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
而已《のみ》を言散らすか、さもなければ同僚の非を数えて「乃公《おれ》は」との自負自讃、「人間|地道《じみち》に事をするようじゃ役に立たぬ」などと勝手な熱を吐散ら....