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「自身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

自身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
する。父親は勿論こう云う少年を時々叱ったりしないことはない。が、稀《まれ》には彼自身も少年のいることを忘れたように帽子屋《ぼうしや》の飾り窓などを眺めている。 ....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
》な机の側には、三味線《しゃみせん》も時々は出してあるんだ。その上そこにいる若槻自身も、どこか当世の浮世絵《うきよえ》じみた、通人《つうじん》らしいなりをしてい....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
侍を六人まで突き倒した。その仕合には、越中守《えっちゅうのかみ》綱利《つなとし》自身も、老職一同と共に臨んでいたが、余り甚太夫の槍が見事なので、さらに剣術の仕合....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ったのは、格別二人の注意を惹かなかったらしい。いや、人の好い藤左衛門の如きは、彼自身にとってこの話が興味あるように、内蔵助にとっても興味があるものと確信して疑わ....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
るか、さもなければもっと莫迦莫迦しい復讐的精神を発揮しますよ。しかもそれを当事者自身は何か英雄的行為のようにうぬ惚《ぼ》れ切ってするのですからね。けれどもわたし....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
診断《しんだん》に従えば、半三郎の死因は脳溢血《のういっけつ》である。が、半三郎自身は不幸にも脳溢血とは思っていない。第一死んだとも思っていない。ただいつか見た....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《い》で」と声をかけたりした。 「ああ言う商売もやり切れないな。」 僕は何か僕自身もながらみ取りになり兼ねない気がした。 「ええ、全くやり切れませんよ。何しろ....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
口へ持って行った。その猪口が空《から》になると、客は隙《す》かさず露柴の猪口へ客自身の罎の酒をついだ。それから側目《はため》には可笑《おか》しいほど、露柴の機嫌....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
私の占いは五十年来、一度も外れたことはないのですよ。何しろ私のはアグニの神が、御自身御告げをなさるのですからね」 亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
」とも云った。僕は悪口を云われた蛇笏に甚だ頼もしい感じを抱いた。それは一つには僕自身も傲慢に安んじている所から、同類の思いをなしたのかも知れない。けれどもまだそ....
江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快でなければ、近代的と云う語で形容しても好い。兎に角憎む時も愛する時も、何....
狂女」より 著者:秋田滋
ことのように覚えている。石が凍って割れるような寒い日のことだった。痛風がおきて僕自身も身動きが出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。折しも僕は重....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
とにしてある。それでも、講師は半年も一年も前から実験の準備にかかる。もちろん講師自身が全部をするのではない、助手が手伝いをするのではあるが。 これらの講義は、....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
具をいっぱい積みこんで、下には壺やら薬罐やらをぶらさげているのだった。そして、彼自身は、ぱっぱっと走る牝馬にまたがり、子馬を一頭したがえて、ケンタッキーか、テネ....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
何んでも、彼でも、探偵小説にせずにはおかないと云った、熱と、力量は自分乍らも相当自身があっただけに、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレベルを引上げた....