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「至善〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

至善の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
は、不足偽《ふそくぎ》、不足悪に出会《しゅっかい》するにあらざるよりは、最後に、至善を敵とするにあらざるよりは、――効果を収むる事|難《かた》しとす。第三の場合....
野分」より 著者:夏目漱石
女は与えられたものを正しいものと考える。そのなかで差し当りのないように暮らすのを至善《しぜん》と心得ている。女は六角の火桶を与えられても、八角の火鉢を与えられて....
竹青」より 著者:太宰治
醜いが、心もあまり結構でなかった。魚容の学問を頭から軽蔑して、魚容が「大学の道は至善に止るに在り」などと口ずさむのを聞いて、ふんと鼻で笑い、「そんな至善なんても....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
。 プラトーンの「ファイドーン」編の末尾に記していわく、「彼は実に古今を通じて至善、至賢、至正の人なり」と。 八 副島種臣伯と大逆罪 明治二年、新律編....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
水子、文化八年|辛未閏二月十四日」とあるのも、並に皆允成の女である。その二には「至善院格誠日在、寛保二年|壬戌七月二日」と一行に彫り、それと並べて「終事院菊晩日....
十二支考」より 著者:南方熊楠
たが十分判らなんだ。一通り聞いたところを考察すると、その宗旨はざっと、上帝は至聖至善だから別段拝まないでも悪くは感ずまい、恐るべきは魔王で、こやつに立腹されると....
教育の目的」より 著者:福沢諭吉
とどまるところとなすべし。近くは我が徳川政府二百五十余年の泰平の如きは、すなわち至善至美ならんとの説もあれども、この説は事物の末を見て、その本《もと》を知らざる....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
の実行をもって目的とするので、したがって道徳的行為の関するところで、最高善または至善というのが、その終極の目的である。知情意三方面とも、いずれも理想、目的がある....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
るわけだ。 ともあれこれで、撥陵遠征隊の指揮者オッペルトと提案者フェロン師との至善至高の人格は、一応論証された形であろう。だがそれならなぜ、いま一人の大幹部―....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
たならば、どうでありましょう。宇宙にそれ以上のものがないのでありますから、至真、至善、至美に達した人格者でありましょう。知識として宇宙間に通ぜざるものなく、感情....