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「致命傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

致命傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
な、――およそこの地球を荘厳にすべき、猛烈な何物も知らずにいるんだ。そこに彼等の致命傷《ちめいしょう》もあれば、彼等の害毒も潜《ひそ》んでいると思う。害毒の一つ....
或る女」より 著者:有島武郎
子は倉地の接吻《せっぷん》を右に左によけながら、さらに激しくすすり泣いた。倉地は致命傷を受けた獣《けもの》のようにうめいた。その腕には悪魔のような血の流れるのが....
或る女」より 著者:有島武郎
田川夫人が自分を迫害しようとするなら、こちらもどこかの新聞を手に入れて田川夫人に致命傷を与えてやろうかという(道徳を米の飯と同様に見て生きているような田川夫人に....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
定の精神をわかりやすくいえば「自由退社をあえてするものにはふたたび立つあたわざる致命傷を与う」という殺風景な文句となるのである。 しかし、我々の場合はまだいい....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
。 彼は用意の吹矢を取り出すなり、狙い撃ちに彼女の咽喉へ射放った。果して、あの致命傷であったのだ。 転げつ、倒れつ、悶々のたうち返る美人の肉塊の織り作す美、....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
) この外の点は、皆おなじ事で、不思譲なことに、殺害の時間も、短刀の大きさも、致命傷の位置も同じで、ただ創痕の深さが、すこし深いように報告されていた。 第二....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
染ったのですナ」と医師は云った。 「そうらしいですネ。ときに丘田さん。この死者の致命傷は、やはりこの外傷によるものでしょうか」 「無論それに違いがありませんが、....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
おお、――」 青年紳士は、その場に化石のようになって、突立った。 二重の致命傷 青年紳士は暫くしてから気を取り直すと、静かに芝草の中へ足を踏みいれた。....
少年探偵長」より 著者:海野十三
つかむ機会にめぐまれていないのだ。 そこで警部の注意力は、もっぱらチャン老人の致命傷と彼の死んでいた場所とその身体の恰好にそそがれた。 ピストルで心臓のまん....
怪星ガン」より 著者:海野十三
いでまわりに飛び散った艇の破片によって、不幸にも漂流器をこわされ、あるいは身体に致命傷をうけた人びとだった。 その救助のときはそうかんだった。 九台の僚艇は....
金属人間」より 著者:海野十三
だしたものと察せられた。 お三根は、左の頸動脈《けいどうみゃく》を切られたのが致命傷《ちめいしょう》であることがわかった。なお、お三根の両手両腕と顔から腕へか....
大脳手術」より 著者:海野十三
がそれを知ったら、どんなに嘆くと思う。君達の間に、きっと罅が入るぞ、それも別離の致命傷の罅が……」 「そんなことが有ってたまるか」 「大いに有りさ。考えても見給....
火星兵団」より 著者:海野十三
変な状態にある。どうにも、手のつけようがない。だが、怪我の方は、重傷ではあるが、致命傷ではないそうで、このまま死ぬ心配はない」 課長はそこでちょっと口を切って....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
、ごつんと、あたまをぶっつけてしまった。それっきり、気をうしなってしまったのだ。致命傷は、あたまだったはず……」 そのとき、ピート一等兵の手は、ようやくうごき....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
事が、同時に(即ち密室の中で)行われたもののように考えられるのである。この場合の致命傷は多く頭部の打撲傷で、棍棒かなんかで一撃を加えられたもののように考えられる....