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致死量
「致死量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
致死量の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
ら、たいていの催眠剤にはお馴染《なじ》みでした。ジアールのこの箱一つは、たしかに
致死量以上の筈でした。まだ箱の封を切ってはいませんでしたが、しかし、いつかは、や....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。考えても見給え。あれほど際立った異臭や特異な苦味のある毒物を、驚くじゃないか、
致死量の十何倍も用いている。しかも、その仮装迷彩に使っているのが、そういう性能の....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
になっている二つのどっちが最終の死因だか判らないけれど、とにかくこの場合、出血が
致死量に達する以前に、ラザレフが窒息で意識を失ってしまったことだけは確実なんだよ....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
病の際ついに絶命したのですから、この事実よりして、前三回に与えられた亜砒酸の量は
致死量以下であったことを想像するに難くなく、殺人者の側からいえば、第一回に
致死量....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
いや、醤どの、うまくいったよ。あの無類の毒酒を、まんまと三杯も乾してしまったよ。
致死量の十二倍はある。あと十五分で、金博士の死骸が庭園に転がるだろうから、お前の....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
うと考えられるし、よし始まっていたとしても、その総量に含まれる一酸化炭素の量は、
致死量には遥かに不足していた。とすれば、二から一を引いて一になるように、一酸化炭....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ば、陶酔ができなくなる。だから、そこへ昇汞をどんな多量に用いても、それはいっこう
致死量にはならないのだ。そして、過激な食餌法で脂肪を減らし、過マンガン酸加里の変....
「火の扉」より 著者:岸田国士
の山のなかで、黒焦げの死体となつていた。ガソリンをしませた毛布にくるまつたまゝ、
致死量の劇薬を服用し、意識を失う直前にライターの火をつけたのである。 翌朝にな....
「長島の死」より 著者:坂口安吾
て気を失って倒れているのを発見された。次には横須賀の旅籠で、次には自宅で。これは
致死量以上の劇薬を嚥みすぎて結局生き返ったのである。このほかにもやっていないとは....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
よりも、死んでしまう。小さいスズメはゴハン一ツブにタップリまぶした粉末でも十分に
致死量らしく、口から白いものを吐いて死んでしまうのである。大の男がよその庭を毎日....
「卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
凡そ一ヶ月かかったよ。即ち僕は毎日ストリヒニンを少しずつ分量をふやして嚥み、遂に
致死量をのんでも死なない体質になることが出来たんだ」 彼はこういって、じっと病....
「呪われの家」より 著者:小酒井不木
ど、医学上の免疫現象と同じようなものだと氏は考えて居るのである。例えば実験動物に
致死量の毒素を注射すれば、動物はたおれるけれど、若しその
致死量を二分して、時日を....
「ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
ることに少しも気づかぬであろう。そこで僕は、君と恒子さんとの食ものの中へ、――の
致死量をまぜようと思う。――は前に書いたごとく、自殺に都合のよいと同じく他殺にも....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
明はすこぶる簡単だ。要は血液に遠ざかることである。わずかに滲み出る血液くらいでは
致死量に至らないようだ。むしろ醍醐味となって、美味の働きをしているのかも知れない....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
る。若い人は死んでも老人は生き残るということがある。 放射線にはそれぞれ一定の
致死量がある。しかし、障害のあらわれるのには細胞それぞれ一定の潜伏期があるのだか....