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舁
「舁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
こん》に染まりながら、こういうことばのうちに、竹と凌霄花との茂みを、次第に奥深く
舁《か》かれて行った。
九
翌日、猪熊のある家で、むごたらし....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
守《こうのぶぜんのかみ》も立ち合って、一まず手負いを、焚火《たきび》の間《ま》へ
舁《かつ》ぎこんだ。そうしてそのまわりを小屏風《こびょうぶ》で囲んで、五人の御坊....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
気《しょうき》を失いぬ。これ御者が静かに馬より扶《たす》け下ろして、茶店の座敷に
舁《か》き入れたりしときなり。渠はこの介抱を主《あるじ》の嫗《おうな》に嘱《たの....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
く。――駕籠は夜をかけて引返すのである。 留守に念も置かないで、そのまま駕籠を
舁出した。「おお、あんばいが悪いだね、冷えてはなんめえ。」樹立の暗くなった時、一....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を取って、突立上りますのに勢づいて、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と
舁いて、釣台へ。 お先立ちがその易者殿、御幣を、ト襟へさしたものでござります。....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、やがて、お分りになりましょう。） と、いいいい、地蔵様の前へ、男が二人で密と
舁ぐと、お道さんが、笠を伏せて、その上に帯を解いて、畳んで枕にさせました。 私....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
真似るように、陰々と火がともれて、人影のざわざわと通り過ぎたのは――真中に戸板を
舁いていた。――鳥旦那の、凍えて人事不省なったのを助け出した、行列であった。 ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
、縁側を背後に、端然と坐った、お君のふっくりした衣紋つきの帯の処へ、中腰になって
舁据えて置直すと、正面を避けて、お君と互違いに肩を並べたように、どっかと坐って、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
り立懸り、小稲と重子と手と手を組みつつ、下より掬いて、足をからみて、われをば宙に
舁いて乗せつ。手の空いたるが後前に、「て」「り」「は」の提灯ふりかざし、仮花道よ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
す。」と交る交るいって、向合って、いたいたけに袖をひたりと立つと、真中に両方から
舁き据えたのは、その面銀のごとく、四方あたかも漆のごとき、一面の将棋盤。 白き....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ないが、大丈夫かい、あとで、俥は？」 「自動車の運転手とは違います、えへへ。駕籠
舁と、車夫は、建場で飲むのは仕来りでさ。ご心配なさらねえで、ご緩り。若奥様に、多....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
立たない。駕籠は……四本竹に板を渡したほどなのがあるにはある、けれども、田植時で
舁き手がない。……大庄屋の家の屈強な若いものが、荷物と案内を兼ねて、そこでおかし....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
圃から帰りがけに、うつくしい女衆が、二人づれ、丁稚が一人、若い衆が三人で、駕籠を
舁いてぞろぞろとやって来おった。や、それが空駕籠じゃったわ。もしもし、清心様とお....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
かく亡き俤に対するごとき、言語、仕打を見ても知れよう。その入院した時、既に釣台で
舁がれて来た、患者の、危篤である事はいうまでもない。 「実はその人を歎美して申す....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
っている運八の息子なの……正月やすみで帰っていて、ここで鶏に目が入り次第、車を手
舁で床の正面へ据えて、すぐに荷拵えをして、その宰領をしながら、東京へ帰ろう手筈だ....