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「興味本位〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

興味本位の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
んけつ》して「女一人でさえ楽々往来ができる所だのに」と思いながら、面白半分にする興味本位の談話には、それぎり耳を貸さなかった。 百六十九 ....
蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
。そこで辻川博士にはなんらの咎めはなかった。しかし、この問題では各新聞紙が競って興味本位に報道して、辻川博士が突如として大学をやめて専門ちがいの蜘蛛の研究をはじ....
道づれ」より 著者:宮本百合子
い傲慢さを感じて、みほ子は、自分の中に反撥するものがあり、店のほかの連中と一緒に興味本位でそのお喋りに入ってゆけなかった。 みほ子は、古びた茶箪笥からカリン糖....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
―大阪には、木崎氏とか、南木氏とか、尊敬すべき郷土研究家が多いが、私は、飽くまで興味本位に――。 とうとう、私は、大阪を歩かずにしまったが、四日からこそ、本当....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
辞典性に求めるが*、知識――又科学――がブルジョア一般新聞に於てのように、感覚的興味本位に、又は精々云ってジャーナリズム本位に、問題として取り上げられねばならな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
読んで来た時、神尾主膳の目頭《めがしら》が熱くなってきました。今までは冷笑気分、興味本位だけで多分を読んで来たが、ここでは目頭が熱くなったものですから、その眼を....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
くて長者になれるは独りもなかりき」という言葉だけからもその一端を想像される。彼は興味本位の立場から色々な怪奇をも説いてはいるが、腹の中では当時行われていた各種の....
貞操問答」より 著者:菊池寛
、お手のものじゃありませんか。それも、僕をほんとうに愛しているからじゃなく、ただ興味本位の一時のお芝居なんですよ……だから、もう飽きてしまって、僕のところへなん....
次郎物語」より 著者:下村湖人
りぬけなければならない人も、ずいぶん多いのである。そして、私がこの物語を、単なる興味本位の小説に仕組もうとしているのでなく、次郎という一個の人間の生命を、「運命....
次郎物語」より 著者:下村湖人
力車にとびのって、駅の方へ急いでいたのであった。 送別式に何かの波瀾を予想し、興味本位でそれを期待していた生徒たちも決して少くはなかった。彼らは、見送りのため....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
生命とする演劇を指す。 メロドラマ 元来、音楽を伴う演劇の意であるが、今日では、興味本位のどぎつい「大芝居」の意に用いられる。筋は波瀾万丈、人物は類型的、泣かせ....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
にあった能面のことを知りませんでした。あなたもその能面についてきいたでしょうが、興味本位のきき方で、事件と深く関係を結ばせて取材しなかったんじゃないですかね」 ....
京都の朝市」より 著者:柳宗悦
れ、いつもの例に洩れず、間違った使い方をしたり、とんでもない意味に流用したり、又興味本位でこの俗語を色々に転用したりして、私共が元来意味したものとは、凡そかけ離....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
れないのである。といって、この長い仕事、作家の特質は、読者の鼻息ばかりうかがって興味本位だけでは書いてもゆかれないしまた、意味もない冗長になってしまおう。ここに....