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興趣
「興趣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
興趣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「手品」より 著者:佐左木俊郎
ります。福禄寿の懐中を改めて下せえ。」 万はそう言ってお辞儀をした。 一座の
興趣《きょうしゅ》は、仮装の福禄寿に集まって行った。福禄寿は早速、その周囲の二、....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
「甲州は今雪の王国に御座候、四囲の山々、皆雪白、地蔵鳳凰の兀立《こつりつ》、殊に
興趣あり、また雪ある山々の、相互の陰翳、頗る面白く候、東の方の山々の中、夕日の加....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
何ともいえない雅味を感じるのです。狸の個性の現れだろうと思います。狸自身も真似る
興趣というものを本能的に感じているのでしょう。 人間も猫八はじめ芸術家達なども....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
何ともいえない雅味を感じるのです。狸の個性の現れだろうと思います。狸自身も真似る
興趣というものを本能的に感じているのでしょう。 人間も猫八はじめ芸術家達なども....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
として残しておくよりない。しかし日蓮という一個の性格の伝記的な風貌の特色としては
興趣わくが如きものである。 八 身延の隠棲 日蓮の最後の極諫もついに....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
右側と左側を行ったり、戻ったり、なるほど見世物として眺めれば、タダとは云いながら
興趣つきない味があろう。 どことなく不潔なような妙に情慾をそそる小娘だ。久五郎....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
は匂いが薄く、肉がやわらかである。こんなことを頭において鮎を見れば、食味に一段の
興趣を添う。 秋気に最も敏感なのは水である。麓の村々ではまだ残る厚さにあえいで....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
して肉が締まって育って、さらさらと流れる小石底に脚を埋め、沖の岩礁に鮎群を制する
興趣は、他に類を求めることができぬ。 また、野州の那須の山奥から出て湊の海門橋....
「巣離れの鮒」より 著者:佐藤垢石
を垂直につるし込み、入れると間もなく数多い玉浮木がずるずると引っ張り込まれていく
興趣は実に何ともいわれない。ここには沢山いるというところを発見したら、そこで携え....
「細流の興趣」より 著者:佐藤垢石
鮒釣りには季節によりいろいろの釣り方があるが、乗っ込み鮒ほど
興趣が深いものはないのである。鮒党はこの本乗っ込みをどんなに首をのべて待っていた....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
よく似ているのに血鯛と黄鯛とがある。これは、真鯛に比べると気品も味も劣り、釣りの
興趣も真鯛ほどではない。 真鯛の当歳子、つまり出来鯛の四、五十匁くらいまでのも....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
申訳が立たないから、勲功記を加えて以て完璧たらしめたのであろう。が、『八犬伝』の
興趣は穂北の四犬士の邂逅、船虫の牛裂、五十子の焼打で最頂に達しているので、八犬具....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
かなか独特の野趣がある。おもしろいじゃないか」 私達はそんなことにも旅先らしい
興趣をおぼえながら、長途のうさを払おうとしていた。すると私達の車室へ、どやどやと....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
乱す無く、殊に愈本時刻に入るを喜ぶは、夜行して暁天に近づくを喜ぶに同じく、得意の
興趣、水上に投射せる己が影の長きより長し。 舷に倚り手を伸べて右の示指に綸を懸....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に秘められた荒らかな、そして美しい大窓の別天地は、其の余りに人臭いのに少なからず
興趣を殺がれざるを得なかった。突然地の底から大砲でも放ったような響が続けさまに二....