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「舌を巻く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舌を巻くの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ずぼしをお当てなさいましたように、いたっての腕巧者、師匠のこの泥斎すらもときおり舌を巻くような上作を焼きあげるのでござります。それがあさましい親心のきざしたる基....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
った。最後の土壇場に来ても尚、跳起きて隙もあらば反噬しようとする彼の執念には只々舌を巻くの他はない。 あゝ、在獄七年余、朝に夕に呪い続けて、いかなる手段を尽し....
もの思う葦」より 著者:太宰治
いるよりほかに仕様がないじゃないの。」 「舌もつれる。」「舌の根をふるわす。」「舌を巻く。」「舌そよぐ。」 私のいう掛合いまんざいとは、たとえば、つぎの如きも....
道標」より 著者:宮本百合子
まだ「あった」が問題になっていた。伸子は、おやおやと思った。柔かいエリときつく舌を巻くエルの区別が出来ない伸子は、駒沢の家でロシア語の稽古をしていた時分、素子....
三郎爺」より 著者:宮本百合子
で、小気味よくグングンと仕事を運んで行った。 煙草休みは一時間と定め、土方達が舌を巻くような激しい働き方をしながら、彼は我ながら自分の腕前に、「感歎措く能わず....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
斬られて逃げた狐のほうに違いない。よくもよくもこう巧く化けて来たものと――伊織は舌を巻くと共に、ぶるぶるッと、身ぶるいを覚えて、思わず、尿を少し洩らしてしまった....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
弥はかぶりを振ったが、その途端が――もう最期だった。 「ず……頭巾の……」 と舌を巻くように言ったきり。 「あっ、お父さん」 「…………」 水! お綱は夢....
私本太平記」より 著者:吉川英治
図に眩めくほど、分っている。 「……ひどいことをなさるもの」と、主君の獣欲ぶりに舌を巻く。 いや主君の好色は驚くに足りないが、その豹変ぶりには、ただあきれるば....