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「舎監〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舎監の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
だと断定した。そして恋というものを生来知らぬげな四十五六の醜い容貌《ようぼう》の舎監は、葉子を監禁同様にして置いて、暇さえあればその帯の持ち主たるべき人の名を迫....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
おうちから電報です、と云って机の端へ置いて去った。例のスグカエレであるから、早速舎監に話をして即日帰省した。何事が起ったかと胸に動悸をはずませて帰って見ると、宵....
さようなら」より 著者:田中英光
労動員で来たばかりの、三十人もの無垢な娘たちが、同期に入社したぼくの友人の童貞の舎監と共に即死したようなむごたらしい思い出もある。而しこうした際にも、止むを得ぬ....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
て、近づいてくる跫音があった。 「組長さん、おいでですか――」 その跫音は、「舎監居間」と書いた木札を、釘で打ちつけてあるわしの室の入口の前で停るが早いか、そ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
湯呑所には例のむずかしい顔をした、かれらが「般若」という綽名を奉った小使がいた。舎監のネイ将軍もいた。当直番に当たった数学の教師もいた。二階の階段、長い廊下、教....
蒲団」より 著者:田山花袋
った。旨味い南瓜を食べさせないと云っては、お鉢の飯に醤油を懸けて賄方を酷めたり、舎監のひねくれた老婦の顔色を見て、陰陽に物を言ったりする女学生の群の中に入ってい....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
に話を聞いて見たいと思っていますうちに、知己の世話でそのころできました女の学校の舎監になって見ますと、それが耶蘇教主義の学校でして、その教師のなかにまだ若い御夫....
亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
を語っているように見える。しかし格別の大失態というほどの事もなくて、後には教頭や舎監も勤めているのを見ると、そういう地位にでもどうにか適応するだけのものはやはり....
映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
なおそろいの棒縞の制服を着せられて五か月たつまでは一回の外出も許されずに、厳重な舎監のいわゆるプロイセン的な規律のもとに教育を受けなければならないのである。プロ....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
当局はなぜこの頃特にこんなに民衆のためを思って親切にするのだろうか。 いやこの舎監然たる親切振りは独り映画の風紀検閲やダンスホールの場合には限らない。警視庁は....
社会時評」より 著者:戸坂潤
来上った。併しそれだけダンスホールが浄化されたことは勿論で、風紀警察は、女学校の舎監のように安心したのである。 併しダンス教師という職業人は、その職業の鑑札の....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
。それから東京へ着いては、前年から旧藩主久松伯爵家より嘱託せられていた常盤会寄宿舎監督のその役宅へ一同住う事になった。この寄宿舎は本郷真砂町にあったのだが、間も....
次郎物語」より 著者:下村湖人
なり分厚な手紙が来た。それには学寮生活の様子がこまごまと記してあり、 「ここでは舎監と生徒との関係よりも、生徒相互の関係が重要だ。つまり、生徒がお互いの工夫と努....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
、それから、やはりその中の一人で寺本さんという人が巻煙草をすう事が好きで、それが舎監に知れやしないかとどんなに心配していたかという事や、そんな数知れない多くの事....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
北海道から出て来て、女給になろうか、歌劇に入ろうかと思い悩んだ。当時、南部という舎監がいて、それに相談した。 『自分は親兄弟を養わなければならないが、歌劇に入っ....