舐めずり[語句情報] » 舐めずり

「舐めずり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舐めずりの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
常になく、異様な冷たさに打たれたからである。いつもの――時江の顔を見ては、妙に舌舐めずりするような気振りなどは、微塵も見られなかったばかりでなく、その全身が、た....
機械」より 著者:横光利一
ちながら慄えているのをそんなにもまざまざと眼前で見せつけられると、私はますます舌舐めずりをして落ちついて来るのである。これではならぬと思いながら軽部の心の少しで....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
梅の血が潮した。 (初茸と一所に焼けてしまえばいい。) 脚気は喘いで、白い舌を舐めずり、政治狂は、目が黄色に光り、主人はけらけらと笑った。皆逆立ちです。そして....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
た錆と思えば、落魄の身の誰を怨まん者もなく、南京虫と虱に悩まされ、濁酒と唐辛子を舐めずりながら、温突から温突へと放浪した。 しかし、空拳と無芸では更に成すべき....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
くと、満員だ! 仕方がないから有料代書に飛び込んで書いてもらうと、代書家さん舌を舐めずりまわしてサラサラと書きなぐる。出来上ったところを見ると、書き直して一層汚....
」より 著者:神西清
の揚饅頭の中身をしゃぶりつくして、何かまた第三の揚饅頭にしゃぶりつこうと、毎日舌舐めずりしていることは私にはわかっていた。 そこで、近隣の地主連を招いて、私の....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
まっ黒な煙の中に、ピラピラ、ピラピラ……と、青い火、赤い火の舌尖が、うす気味悪く舐めずりだした。 「お嬢様! お綱さん! 早くどこからか逃げて下さい。火が! 火....
私本太平記」より 著者:吉川英治
急ごしらえな仮屋や櫓はいうまでもない。七院の伽藍もみな懸崖造りなので、炎は山肌を舐めずり登って、ふだん鳶の巣が見える枯れた大樹の天ッぺんにさえチロチロ赤い舌がひ....