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「舟人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舟人の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
の神ではなかった。これでは訪ねずとも判っている。翁は身に疲れも出たことなり、漸く舟人に頼み込み、舟の隅に乗せて貰って浪路を辿った。 海路は相模国三浦半島から、....
ゼーロン」より 著者:牧野信一
もしなかった。 私は鞍から飛び降りると、今度は満身の力を両腕にこめて、ボルガの舟人に似た身構えで有無なく手綱をえいやと引っ張ったが、意志に添わぬ馬の力に人間の....
十二支考」より 著者:南方熊楠
りこの水清し、風なくして浪高きこと数丈、常に水上紅光|見《あら》われ日のごとし、舟人あえて近づかず、いわくこれ竜王宮なり、而して西北塞外人跡到らざるの処、不時数....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
船中月 棹さしてうたふ声さへすみにけり つきになるとの浦の舟人 更衣 (八十九歳時代) 人並にぬきか....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
る才覚で、こっそり教会で婚礼の式をあげることが出来たのであった。が、ヴォルガの曳舟人足から稼ぎためて、今は九年間も改選なしの職人組合長老にまでなっているワシリー....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
想の歌が多い。おなじ黒人の歌でも、「住吉の得名津に立ちて見渡せば武庫の泊ゆ出づる舟人」(巻三・二八三)は、少しく楽過ぎて、人麿の「乱れいづ見ゆあまの釣舟」(同・....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
してな、存外御政治も行届いて居りやすから、そんな事アありそうもござんせぬ、何なら舟人を頼んで上げましょうかね」 文「併し見ず知らずのお前様に、御苦労を掛けるも....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
、弟子達にも手伝わせず素描から設色まで融川一人で腕を揮った。樹木家屋の遠近濃淡漁舟人馬の往来坐臥、皆狩野の規矩に準り、一点の非の打ち所もない。 「ああ我ながらよ....
冬の王」より 著者:森鴎外
海が荒れて、波濤があの小家を撃ち、庭の木々が軋めく時、沖を過ぎる舟の中の、心細い舟人は、エルリングが家の窓から洩れる、小さい燈の光を慕わしく思って見て通ることであろう。 (明治四十五年一月)....
妖怪学」より 著者:井上円了
精神に関係なきもののごとし。 (二〇)舟待ちせざる呪術 「ゆらのとをわたる舟人かぢをたえゆくへもしらぬ恋の道かな」の歌を唱うれば、舟待ちすることなしという....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
レエン等 舟の砕けむとき、 われ等おん身等に及ばず。 逆はむよしなき御稜威もて、舟人を救ひませば。 ネエレウス族とトリイトン等と 三柱をば迎へまつりぬ。....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
ウチであることはことわるまでもあるまい(29). 水辺に魔女が住んでいて往来の舟人をたぶらかすのであるから,これはいわばローレライ伝説のコタン版とも称すべきも....
私本太平記」より 著者:吉川英治
菊王は、棹を取って、すぐ岸を突いた。 そこらにあった腰蓑をまとって、散所者の舟人に似せた姿も、それらしい。たちまち出屋敷の水門を離れ、舟は一と筋の川へ泛かび....