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舟遊
「舟遊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舟遊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
舟宿を知っていねえか」 「えッ? 舟宿というていと、よく女の子をこっそりつれて、
舟遊山《ふなゆさん》をやりに行くあの舟宿のことですかい」 「ああ、そうだよ」 「....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ました。叔父さんは固《もと》より御存じでしょう、御祖父さんが昔の通人のした月見の
舟遊《ふねあそび》を実際にやった話を。僕は母から二三度聞かされた事があります。屋....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
第一の面白い見せ物を見せて上げます」と云っても、「山狩りに行こう」と云っても、「
舟遊びに連れて行く」と云っても、ちっとも嬉しがる様子はなく、それよりもどこか日当....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
ん宿に帰って、こんどはおげんさんを誘って、すぐ前の大きな池のような静かな海の中で
舟遊びをした。そしていい加減疲れて、帰って湯にはいって、夕飯を待っていた。 そ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
そのつもりで、自動車のブロカアの連中と、暑さしのぎに銀座会館の裏から築地河岸へと
舟遊びに出ており、帰りの土産に大黒屋で佃煮を買い、路傍の花売娘から、パラピンにつ....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
間の夫なら 「やくざの兄だの」 と、不機嫌な顔の一つでもする所を、半兵衛は 「
舟遊びに参ろうか」 と、里恵の心を察して、気晴しに連れて行って、何一つ、又五郎....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こそ、いったい何だって、こんなバツの悪いところへ出しゃばるのですか」 「琵琶湖の
舟遊びに行った帰り途、つい何だかここが物騒がしいから、のぞいて見る気になったのだ....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
湖岸の楊柳はもうそろそろ柔かな若葉をつづりかけていましたが、湖の水はまだ冷たく、
舟遊びには早い季節でありました。通りかかりの漫遊客が、季節かまわず舟を出すことは....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
だろう。」 「むむ。」と、僕はうなずいた。夏休みで帰郷した美智子は、さだめて清と
舟遊びでもしているだろうと、僕はかねて想像していたのであるから、この話を聞いても....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
の生活にあえぐ姿は、激しい時代相を裏付けているのである。 み簾さげて誰が妻ならん
舟遊び 秋色 の歌麿の美人画にでもありそうな優美さ。 名月や乗物すゆる橋の上....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
に客が集まって来た。 やがて宝応元年になった。 ある県令に招かれて、釆石江で
舟遊びをした。 すばらしく派手やかな宮錦袍を着、明月に向かって酒気を吐いた。 ....
「決闘」より 著者:神西清
れ。』 アチミアーノフも間もなく一同に別れて、ナヂェージダの後を追って行った。
舟遊びに誘おうと思ったのである。彼女の家まで来ると柵の間から覗いて見た。窓はすっ....
「夏の町」より 著者:永井荷風
時節になっても、自分はやはり川好きの友達と一緒に中学校の教場以外の大抵な時間をば
舟遊びに費した。 われわれは無論ボオトも漕《こ》いだ。しかしボオトは少くとも四....
「向島」より 著者:永井荷風
て来てくれるようなこともあった。 月日《つきひ》は過ぎて行く。いつかわれわれは
舟遊びにも飽きて舟を借りにも行かなくなってから、また更に月日がたつ。尋常中学を出....
「参宮がえり」より 著者:田中貢太郎
を点けて持って来たところであった。 「ほう、燈が点いたか、舟の上で燈を点けると、
舟遊山をするようじゃ」 父親はそう云い云い女の顔を見た。 「御膳もできておりま....