舳艫[語句情報] » 舳艫

「舳艫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舳艫の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
島戦隊に編入せられた巡洋艦、駆逐艦、水雷艇、潜水艦、特務艦などが合わせて四十六隻舳艫をふくんで飛行島のまわりに投錨した。 リット提督は、得意満面、大した御機嫌....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
米国の太平洋、大西洋両艦隊は、圧倒的な大航空軍を、航空母艦に積みこんで、今や、舳艫相含んで、布哇を出航し、我が領海に近づきつつある。 露国は、五ヶ年計画完成....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「其ノ荊州《けいしゆう》ヲ破リ、江陵ヲ下リ、流レニ順《したが》ツテ東スルヤ、舳艫《じくろ》千里、旌旗《せいき》空ヲ蔽《おほ》フ、酒ヲソソイデ江ニ臨《のぞ》ミ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た以上、どのみち、舟を戻して興を新たにするよりほかはないでしょう――言わず語らず舳艫《じくろ》はしめやかにめぐらされました。 一方――どこをどうして泳ぎ着いた....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ヌが待ち構えていると、ガイヤアルを先登にして三人の山案内《ギイド》が、威風堂々|舳艫《じくろ》を啣《ふく》んで乗り込んで来た。 お定まりの登山綱《ザイル》、氷....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
とも出来なかった。 が、今は、まっさきに、広海屋《ひろうみや》が、数艘の大船の舳艫《じくろ》をあい接させて、西の貯蔵米をまわしはじめたのを切ッかけに、富裕の商....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
製して用いているのは、原料はこのシナの木の皮であり、他国には例の無いことだと、『舳艫訓』という書に記したのはまだ心もとないが、米を入れる袋は他の土地でもシナ袋と....
黒田如水」より 著者:吉川英治
寄手の喊声もぱったり聞えない。 「織田方の形勢は悪いな。万一にも、毛利の水軍が、舳艫をそろえて、摂津の沿岸に上陸して来たら、ひとり荒木や高山や中川清秀にとどまら....
三国志」より 著者:吉川英治
黎明と共に、出陣の鼓は鳴った。長沙の大兵は、城門から江岸へあふれ、軍船五百余艘、舳艫をそろえて揚子江へ出た。 孫堅は、長男の孫策が、すでに夜の明けないうち、十....
三国志」より 著者:吉川英治
まえていた。 それより前に、孫策は、兵船数十艘をととのえて、長江に泛かみ出て、舳艫をつらねて溯江して来た。 「オオ、牛渚だ」 「物々しい敵の備え」 「矢風にひ....
三国志」より 著者:吉川英治
夏へおしよせた。 鴻はみだれて雲にかくれ、柳桃は風に騒いで江岸の春を晦うした。舳艫をそろえて、溯江する兵帆何百艘、飛報は早くも、 「たいへん!」 と、江夏に....
三国志」より 著者:吉川英治
水軍に出航を下知した。 このときもう先発の第一船隊、第二船隊、第三船隊などは、舳艫をそろえて、江上へすすんでいた。 黄蓋の乗った旗艦には、特に「黄」の字を印....
私本太平記」より 著者:吉川英治
|定禅を大将として、弟の帯刀先生、ほか四国諸党の、およそ五百余|艘―― すべて舳艫を、敵の和田ノ岬から兵庫へ向けて、左方の陸地を望みながら、徐々に、接岸をさぐ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は海を見まわした。 材木や伊豆石や、城普請の用材をつんだ船が、誇張していえば、舳艫をつらねてといえるほど、江戸湾に、それぞれの藩旗を並べていた。 藤堂、有馬....