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舶来
「舶来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舶来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
うじん》を妨《さまた》げるため、あるいは見慣れぬ黒人《こくじん》となり、あるいは
舶来《はくらい》の草花《くさばな》となり、あるいは網代《あじろ》の乗物となり、し....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
人形に着せたのを覚えている。その又端巾は言い合せたように細かい花や楽器を散らした
舶来のキャラコばかりだった。
或春先の日曜の午後、「初ちゃん」は庭を歩きながら....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
浮いた上層水《うわみず》が四分目ほど溜ってる――の所でアネチョコといい慣わされた
舶来の雑草の根に出来る薯《いも》を洗っていると、そこに一人の男がのそりとやって来....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
、身長《せい》は見上げるように大きい子でした。ジムというその子の持っている絵具は
舶来の上等のもので、軽い木の箱の中に、十二|種《いろ》の絵具が小さな墨のように四....
「星座」より 著者:有島武郎
《がんじょう》な丈け高い南京|下見《したみ》の二階家に仕立てあげた。そしてそれが
舶来の白ペンキで塗り上げられた。その後にできた掘立小屋のような柾葦《まさぶ》き家....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の縄にかかって、勝蔵と寅吉は白状した。かれらも最初は強情を張っていたのであるが、
舶来の人形の首――この一句に肝をひしがれて、もろくも一切の秘密を吐き出してしまっ....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
を祝って新橋停車場の前には沢山の紅提灯が吊るされましたが、その時その提灯には皆|
舶来蝋燭を使用して灯をつけたものです。その蝋燭の入っていた箱が新橋の傍に山のよう....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
治十年頃と思うが、始めて洋燈が移入された当時の洋燈は、パリーだとか倫敦辺で出来た
舶来品で、割合に明いものであったが、困ることには「ほや」などが壊れても、部分的な....
「人造物語」より 著者:海野十三
た小屋で、「活人形」を見たのを覚えている。もう二十年以上も昔のことである。これは
舶来の人形で、煙草をふかしたり、帽子をとってお辞儀をしたり、お酒を呑んでみせたり....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
――蛙の皮の疣々のようでもあります。そうして、一飛ずつ大跨に歩行くのが、何ですか
舶来の踊子が、ホテルで戸惑をしたか、銀座の夜中に迷子になった様子で。その癖、髪の....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
みたちは知るまいなあ。――むかしここいらで、小学校へ通うのに、いまのように洒落た
舶来ものは影もないから、石盤、手習草紙という処を一絡めにして……武者修行然として....
「妖怪学」より 著者:井上円了
「狐狗狸」の語を用うるに至りしなりという。果たしてしからば、この法は全く西洋より
舶来したるものと知るべし。さらに進みて、西洋にかくのごとき法の存するかを考うるに....
「妖怪談」より 著者:井上円了
備え付けられ、庭園の植え込み、竹木等、みな日本種ならざるはなく、いちいち日本より
舶来せるものなり、と特に五重の石の塔のごときまで配致せられ、最も私の目を驚かした....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ていた。或時は無地物に泥絵具でやたら縞を描いたのを着ていた。晩年には益々|昂じて
舶来の織出し模様の敷布を買って来て、中央に穴を明けてスッポリ被り、左右の腕に垂れ....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
は一枚だ。これでは或る一部分の人しか鑑賞することができない。特に油絵などは画材が
舶来品で高いから大衆向きでない。版画は多勢の人に、同じもので鑑賞させることができ....