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舶載
「舶載〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舶載の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「イズムの功過」より 著者:夏目漱石
。人生上芸術上、ともに一種の因果によって、西洋に発展した歴史の断面を、輪廓にして
舶載《はくさい》した品物である。吾人がこの輪廓の中味を充※《じゅうじん》するため....
「「女らしさ」とは何か」より 著者:与謝野晶子
転」が人生の「常住の相」であるという大乗的楽観に立つことが出来ず、現代に入って、
舶載の学問芸術のお蔭で「流動進化」の思想と触れるに到っても、動もすれば、新しい現....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ほうが、しょうしょうお高くなっておりますが、へい」 呉絽は文政のころに支那から
舶載され、天鵞絨《びろうど》、サヤチリメン綸子《りんず》、鬼羅錦織《きらきんおり....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
《ウォッチ》の銀鎖《ぎんぐさり》をそっと帯にからませているのもある。 この春、
舶載《はくさい》したばかりの洋麻の蕃拉布《ハンドカチフ》を、競うようにひとり残ら....
「訳本ファウストについて」より 著者:森鴎外
取り入れて改版せられたが、その本は私が文芸委員会へ作者伝を出した日までには、まだ
舶載せられていなかったのである。 右のファウスト考とファウスト作者伝とは訳本フ....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
我国に輸入され、これに反して、馬は大倭《おおやまと》民族によって、同じく韓国から
舶載したもののように考えられる。時代においては牛が馬よりも古く、分布においては馬....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
あたりは草深い百姓家らしいが、その部屋の中は百姓家らしくなく、和漢の書籍だの、
舶載のエレキテルだの、そうかと思うと、薬を刻む薬研が見えるし、机の上には下手な蘭....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
きわめてほのかにさす光線で、自分のかげを自分の目に映した一面の姿見なのであった。
舶載物であろう、幅二尺七、八寸、長さ五尺ほどな玻璃の鏡――、それが、行きづまりの....
「三国志」より 著者:吉川英治
してあった。 亭は花や珍器に飾られ翠蔭しきりに美鳥が啼いていた。はるばる呉から
舶載してきた南方の美味|薫醸は、どんな貴賓を饗するにも恥かしいものではなかった。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、天目台の碗を、掌にとって。 「おお爽やかな。このようなよい茶は足利では知らぬ。
舶載の物でもあるか」 あらぬ問いには、道誉の方でも、それを高氏の独り言にさせて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
り買いとって、それを自家の秘蔵にした。 国産茶だけでなく、四川茶や杭州茶などの
舶載物もあったのである。また中には数壺の茶の胚子もあった。 彼は、これを誇って....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ズはある。まず高時の耳へ讒を※くにも春の日永のことでいい。――として彼は今日も、
舶載の支那鉢に、ひと株の福寿草を移し植え、それを卓の春蘭とならべて、みずから入れ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
はもちろん庫裡に充ちていよう。高時もかつての春には、ここの山門で小袖幕を張らせ、
舶載の毛氈をのべて、花見の宴に遊び暮らしたこともある。――そんな日の幻影を、ふと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぎる、物と物との交易も相ならず、というんだそうだよ。――市でも近ごろ見なくなった
舶載の上茶だの、糸、朱粉、薬種、香料、唐織、欲しい物だらけだというんだが」 「あ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
者があっても地方的で、これに全国|倶通の名を生ずるに至らなかったと解して置いて、
舶載の証跡の後日出て来るのを待つより他はあるまい。自然と文学という問題は、この方....