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舷梯
「舷梯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
舷梯の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
はず》になっていた。が、Bさんらしい姿は容易に僕には見つからなかった。のみならず
舷梯《げんてい》を上下するのは老若の支那人ばかりだった。彼等は互に押し合いへし合....
「或る女」より 著者:有島武郎
うと、預かり物を葉子に渡して、手の塵《ちり》をはたかんばかりにすげなく、まっ先に
舷梯《げんてい》を降りて行った。葉子はちらっと叔母の後ろ姿を見送って驚いた。今の....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
わいこれをたいしょうにこえ》」と、手早く認《したた》めて、その紙片を持ちながら、
舷梯《げんてい》をかけ上った。が、不幸にもその船には、通辞がいなかった。老いた夷....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ロオルで泳ぎつきたい衝動に駆られた。 ところが、いよいよ船が桟橋について、彼が
舷梯を駆下り、花束美人の真只中へ突入してみたところ、意外にも誰一人として彼の胸に....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
鼠を一匹とったためだった。人一倍体の逞しいSは珍しい日の光を浴びたまま、幅の狭い
舷梯を下って行った。すると仲間の水兵が一人身軽に
舷梯を登りながら、ちょうど彼とす....
「恐竜島」より 著者:海野十三
て、水やパンなどをつみこむ。こうしてよういは出来た。伯爵が最後に乗りこもうとして
舷梯《はしご》に一足かけたとき、 「閣下、ちょっと」船長がよびとめた。 「なにか....
「怪塔王」より 著者:海野十三
「やあ、ひどいことになったものですね」 博士は腰をたたきながら、にこにこ顔で
舷梯をのぼって来ました。 艦長|相馬大佐をはじめ、幕僚たちや検察隊長の塩田大尉....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
黒煙をはきながら白い水泡をたててゆく。 ぽぽーと、汽艇の響が、右舷の下でする。
舷梯下に、汽艇がついたらしい。 大尉が見ていると、舷門についていた番兵が、さっ....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
うから、非常な不便はなく、それまでに調査も滞りなく完了することと思った。 一、
舷梯を伝って氷原に降り立つと、汽船は咽ぶような汽笛を長鳴させながら、朦朧たる海霧....
「復活祭」より 著者:久生十蘭
を捨てなかった。小原が甲板から手招きをしたら、川田をおしのけてギリギリのところで
舷梯を駆けあがって行こうと待ちかまえていたが、先任の水先人が高い船橋から川田のほ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
あたえまいと、女も及ばないような細かいこころづかいをしながらランチを寄せて行く。
舷梯をあがり切ったところに、色の浅黒い、歯列のきれいな、眼の大きな士官が立ってい....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
小父《おじ》さん、それから、みなさん、さようなら。」 清君と※代さんは、身軽に
舷梯《げんてい》をかけ下りて、内火艇に乗りうつった。 艦長は、谷兵曹長だ。前進....