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「舸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

舸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一つの出来事」より 著者:宮本百合子
える穏やかな湖に軽々と恰好のよい舳《みよし》を浮かせて、いかにも典雅に水を滑る軽《カヌー》の律動につれて、月を迎えるような笛の旋律に聴き惚れるときなどには、私....
追慕」より 著者:宮本百合子
の白い水楼で古風なワルツを踊っているような気がする。 濃碧の湖には笑を乗せて軽が浮く。街道の古い並木の下では赤い小猿が、手提琴の囃子につれて、日は終日帽子を....
田舎風なヒューモレスク」より 著者:宮本百合子
白石《オパール》色の東空に、白いほんのりした夕月がうかみ出す、本当に空にかかる軽のように。しめりかけの芝草がうっとりする香を放つ。野生の野菊の純白な花、紫のイ....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
》を伴れて聞え始めます。すると先刻までは何処に居たのか水音も為せなかった沢山の軽《カヌー》が、丁度流れ寄る花弁のように揺れながら、燈影の華やかなパゴラの周囲に....
一九二三年夏」より 著者:宮本百合子
を感じた。 ◎ 六月の若い栗《クリ》の梢に、黄金の軽《カヌー》のような半月が浮んだ。 ◎ 彼は、自然や....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いません、米友さんとのあの時の約束では、米友さんがこの白旗を見かけさえすれば、軽《けいか》を飛ばして馳《は》せつけて来ていただくことになっておりましたのに……....
向嶋」より 著者:永井荷風
茵 草《くさ》は嫩《わか》く茵《しとね》に充《あつ》るに堪《た》う 葭短不碍 葭《あし》は短《みじか》く《おおぶね》も碍《さまた》げず 撥百冗以遊 ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は。 実はあれから、ややしばし、同藩の人々と共に、便船から上がって来る武蔵の軽を待っていたところ、いつになっても、沙汰もなし、軽も来ない。 でも、太郎左....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、俄かに芦を掻き分けて走りだした。 芦の深みに隠されて、苫をかぶった一|艘の軽がある。ザワザワと掻き分けてきた弦之丞、苫をはねのけてそれへ跳び移り、早くも砂....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
から高くおどった。と、その鈎の爪がガッキとどこかへ食いついた途端に、天神岸から軽を飛ばしてついてきた原士たち、縄を攀じてポンポンと蝗のようにおどり込んできた。....
三国志」より 著者:吉川英治
ていただきたい」と、嘆願した。 袁紹は、ゆるした。 すると、文醜が、単身、軽に乗って、中軍へやって来た。 「先陣の大将は、それがし一名では、ご安心ならぬと....
三国志」より 著者:吉川英治
十日は、まさしく甲子にあたります。お忘れなく、その日は、ご麾下|趙雲に命じて、軽を出し、江の南岸にあって、私を待つようにお備えください。いまは帰らずとも、孔明....
三国志」より 著者:吉川英治
れへ跳びおりた。曹操も躍り込んだ。各※であった。 けれど、それを見つけた呉の走や兵船は、 「生捕れっ、曹操を!」 「のがすな、敵の大将を」 と、四方から波....
三国志」より 著者:吉川英治
」 曹丕も同意した。彼はすでに呉を呑んでいた。 やがて月光が映した。数艘の速が矢のごとく漕いでくる。敵地深く探ってきた偵察船であった。その復命によると、 ....