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「船人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

船人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
石狩川」より 著者:本庄陸男
あった。空腹をまぎらすために彼は近よって行った。中腰になって見出しを読んだ。「乗船人心得方規則」と書いてあった。これは読まなければならぬと彼は立ちあがった。うす....
十二支考」より 著者:南方熊楠
》という風に猴の字を得手と読み居る。かつて熊野川を船で下った時しばしば猴を見たが船人はこれを野猿《やえん》また得手吉《えてきち》と称え決して本名を呼ばなんだ。し....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を望みしに対し、豊太閤、増田長盛をして米千石、豚二百頭、鶏二千疋等を賜わらしめ、船人大悦びで帰国したとある。この豚二百頭は無論日本で飼いいたものに相違ない。それ....
マクシム・ゴーリキイによって描かれた婦人」より 著者:宮本百合子
と流れ合っているオカ河の長い木橋、その時分でもまだアンペラ草鞋を履いて群れている船人足の姿、波止場近くの小さい教会が、丸い赤い屋根をそのまま魚市場に使われていて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てる風と、逆捲《さかま》く波の間に翻弄《ほんろう》されているのだから、海に慣れた船人、ことに東西南北どちらへ外《そ》れても大方見当のつくべき海路でありながら、さ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:条野採菊
今を去る三十年の昔、三|題噺という事|一時の流行物となりしかば、当時圓朝子が或る宴席に於て、國綱の刀、一節切、船人という三題を、例の当意即妙にて一座の喝采を博したるが本話の元素たり。其の時聴....
源氏物語」より 著者:紫式部
からとも言わせない使いを出して、二条の院へ歌を置かせた。 須磨の浦に心を寄せし船人のやがて朽《く》たせる袖《そで》を見せばや 字は以前よりずっと上手《じょ....
源氏物語」より 著者:紫式部
意味の唄《うた》を唄う声が聞こえてきて、姉妹《きょうだい》は向かい合って泣いた。船人もたれを恋ふるや大島のうら悲しくも声の聞こゆる 来《こ》し方も行方《ゆくへ》....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ると巻七の方が原歌のようでもある。 この歌の次に、「葛飾の真間の浦廻を榜ぐ船の船人さわぐ浪立つらしも」(巻十四・三三四九)という東歌(下総国歌)があるのに、巻....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いでいって、やさしい歌をうたってやりました。海の底がどんなにうつくしいか、だから船人たちはしずむことをそんなにこわがるにはおよばない、そううたってやるのです。で....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、あたりの船頭がこれを見付けまして、 「やア/\彼処に旅人が倒れてらア、それ難船人々々々、確りしろよ、おゝ気が付いたか」 文「これは/\何処のお方か存じませ....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
ちをしないマジナイというものがあります。それは、一首の歌を詠み、「ゆらのとを渡る船人かぢをたえ行方も知らぬ恋の道かな」といいて唱えます。 つぎに、マジナイの一....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
。芳虎が「東都八景」は英語にて表題を書きチョン髷のままなる市民の群れ集りて汽車汽船人力車の如き新時代の交通機関を驚き眺むる様を示しぬ。浮世絵は実にその名の示すが....
女王スカァアの笑い」より 著者:マクラウドフィオナ
れ あわれ されど子等は笑わじ狼の来るとき 妻はほほえまじさむき冬の日 夏の日の船人らふたたび帰らんや、あわれ ああ、あわれ 彼等ふたたびは帰ることあらじ 髪黄....
痴人と死と」より 著者:ホーフマンスタールフーゴー・フォン
は》を破って行《ゆ》く大胆な海国《かいこく》の民の住んでいる町々があるのだ。その船人《ふなびと》はまだ船の櫓《ろ》の掻《か》き分けた事のない、沈黙の潮《うしお》....