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船出
「船出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
南無《なむ》大慈大悲の泥烏須如来《デウスにょらい》! 私《わたくし》はリスポアを
船出した時から、一命はあなたに奉って居ります。ですから、どんな難儀に遇《あ》って....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
げました。それはこの島へ渡るものには、門司《もじ》や赤間《あかま》が関《せき》を
船出する時、やかましい詮議《せんぎ》があるそうですから、髻《もとどり》に隠して来....
「或る女」より 著者:有島武郎
胸がかっとなった時、破れたのだろうか。なんだかそうらしくも思えた。それともあすの
船出の不吉を告げる何かの業《わざ》かもしれない。木村との行く末の破滅を知らせる悪....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
いささかにても見聞を広くし経験を得んには陸行にしくなし。ついに決断して青森行きの
船出づるに投じ、突然《とつぜん》此地を後になしぬ。別《わかれ》を訣《つ》げなば妨....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
岩も水も真白な日当の中を、あの渡を渡って見ると、二十年の昔に変らず、船着の岩も、
船出の松も、確に覚えがありました。 しかし九歳で越した折は、爺さんの船頭がいて....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ないんだ。失敬なことをいう、盲人がどうした、ものを見るのが私の役か、いざといって
船出をする時、船を動かすのは父上の役、錨を抜くのは慶造貴様の職だ。皆に食事をさせ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
か。仕立てた船は二|艘、どちらも堅牢な新船でございました。 『一|同が今日の良き
船出を寿ぎ合ったのもほんの束の間、やや一|里ばかりも陸を離れたと覚しき頃から、天....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ある。 「そうして、UR―4号の改装が終りますと、次に私を待っていたのが、悲しい
船出でございました。私はあの前夜に慌しい別れを聴かせられたとき、その時は別離の悲....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ほどお下がりくださいまし。それではあぶのうございます。……ああそれからもう一つ、
船出をご覧遊ばしたいなら、別荘の北、海の岸、象ヶ鼻へお駈けつけくださいまし。岩は....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
わずがたりに、姉娘は、輪島で遊女のつとめをする事。この高浜は、盆前から夏一杯、入
船出船で繁昌し、一浦が富貴する。……その頃には、七尾から山|越で。輪島からは海の....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
思うが、じゃあ知らねえのかね。この十九日というのは厄日でさ。別に船頭衆が大晦日の
船出をしねえというような極ったんじゃアありません。他の同商売にはそんなことは無え....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
でございましょう」 なにも危険なことはない、風は追手である、用意は整った、まさに
船出のときである、そう書いたあとで、「うやうやしく、やんごとなき美しき御手に、接....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
あり。終日片雲なきも、水蒸気の空中に満つるありて、清朗ならず。春天朦朧の観あり。
船出禁吟情動、百尺檣頭月一鉤。 (船は南半球より北半球に入り、潮風は暑熱を洗い落....
「古事記」より 著者:太安万侶
お妬みになるのを畏れて本國に逃げ下りました。天皇は高殿においで遊ばされて、黒姫の
船出するのを御覽になつて、お歌い遊ばされた御歌、 沖《おき》の方《ほう》には小....
「海のまぼろし」より 著者:小川未明
じにしていたものです。 その後のこと、あるうららかな日でした。 「こんど、遠い
船出をして、帰ってきたら、結婚をしようと思っているが、だれか、約束をしてくれる女....