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「船医〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

船医の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
医務室の戸をノックすると、高いダブル・カラーの前だけをはずして、上着を脱ぎ捨てた船医らしい男が、あたふたと細長いなま白い顔を突き出したが、そこに葉子が立っている....
或る女」より 著者:有島武郎
う会社としても黙ってはいられなくなって、大急ぎで詮議《せんぎ》をした結果、倉地と船医の興録《こうろく》とが処分される事になったというのだ。 「田川の嬶《かかあ》....
船医の立場」より 著者:菊池寛
ているときに、その手指に無数に発生していた伝染性腫物のことを思い出した。 「私は船医の立場から、ただ一言申しておきたい。彼の青年の一人は不幸にも Scabies....
海底大陸」より 著者:海野十三
てはどうすることも出来ない。なによりほしいのは視力だ。 そこで考えた。第一に、船医を呼んで視力を恢復させるように努力すること。第二に、電気主任を呼んで、この怪....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
来痛みつづけていた右の奥歯のことを忘れたように、熱海丸の甲板を愉快に歩いていた。船医の治療を受けて、きょうの午頃から歯の痛みも全く去ったからである。食堂の午飯も....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
、興奮から青い顔をしていた。――「そんなぜいたくな薬なんて無いとよ」 「んだべ。船医なんてんなものよ」側で聞いていた古い漁夫が云った。 「何処の医者も同じだよ。....
少年探偵長」より 著者:海野十三
った。 「……あの黄金メダルの半ぺらを、わしが手に入れたときは、わしはある汽船に船医として乗組んでいて、たまたま地中海を通ったのだ。そのときわしの乗っていた汽船....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ら、医務室に入った。 曾呂利は、診察用の肘かけ椅子に、腰をかけさせられていた。船医が、すぐやってきて、曾呂利が痛みを訴える後頭部をかんたんに診察した。 「なあ....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
せて行ってほしいと頼みました。船長は、私が医者の心得があるのを知ると、では途中、船医の仕事をしてくれるなら、船賃は半分でいゝと言いました。 船に乗る前には、踏....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
仕になって来るんだ。お前は素敵な船室給仕になるよ、ホーキンズ。君は、リヴジー君、船医だ。私は司令官になる。レッドルースと、ジョイスと、ハンターもつれてゆこう。我....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。いや、あるいはもう少し遅かったかもしれない。そこで朝の空気をひとりで吸っていた船医に出会った。東部アイルランド生まれの彼は、黒い髪と眼を持った、若い大胆そうな....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
来痛みつづけていた右の奥歯のことを忘れたように、熱田丸の甲板を愉快に歩いていた。船医の治療を受けて、きょうの午頃から歯の痛みも全く去ったからである。食堂の午飯も....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
といい、朝日の記者、名誉ある文人としての名は事務長を初め船員が皆知っていたから、船医の外に特に一名の給仕を附添として手厚く看護し、この元気なら滞りなく無事に帰朝....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
れよ。) 一行は南緯七十四度まで進航して船を回せりという。 五日、また快晴。船医秋洲長美氏とともに車行して、クロイドン村なる総領事の宅を訪い、さらに車行して....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
わたせる、船舶課側の窓際のクッションに凭れる、末席の方だが、このテエブルには若い船医や京都府の警部さんのA君やと大概は同席である。だが、今は私たちの前には某銀行....