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「船宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

船宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大川の水」より 著者:芥川竜之介
ぐれに、天秤《てんびん》をにないながら両国の橋を通った時にも、大川は今のごとく、船宿の桟橋《さんばし》に、岸の青蘆《あおあし》に、猪牙船《ちょきぶね》の船腹にも....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
し流されたように消えてしまった。二十九日は打ちどめの花火というので、柳橋の茶屋や船宿では二十日《はつか》頃からもうその準備に忙がしそうであったが、五月の陽気な川....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、船が狭いので侍や中間は陸《おか》を廻り、主人側三人と女中三人は船で行きました。船宿《ふなやど》は築地南小田原|町《ちょう》の三河屋で、屋根船の船頭は千太という....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んだんに世の中が悪くなるんだから仕方がねえ。それでもいつもの日と違うから、茶屋や船宿はちっとは忙がしかろう」 云いながらよく視ると、柳橋の若い芸妓は島田を式の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くしゃべったのは、天の与えだ」と、半七は歩きながら云った。「これから柳橋へ行って船宿を調べてみよう。案外の掘出し物があるかも知れねえ」 「だが、親分。例の首はお....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、誰もたしかに見とどけた者はなかったが、最後にここを引き揚げたのは、築地|河岸の船宿|山石の船で、その船頭は清次という若い者であった。乗合いは男五人と女ひとりで....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
。――とあの辺から両側には仕済した店の深い問屋が続きますね。その中に――今思うと船宿でしょう。天井に網を揃えて掛けてあるのが見えました。故郷の市場の雑貨店で、こ....
」より 著者:織田作之助
……、飲まぬ先からの酔うた声で巧く捌いてしまった。伏見は酒の名所、寺田屋は伏見の船宿で、そこから大阪へ下る淀船の名が三十石だとは、もとよりその席の誰ひとり知らぬ....
鴨猟」より 著者:芥川竜之介
亮、石川寅吉の諸君と品川沖へ鴨猟に往った時である。何でも朝早く本所の一ノ橋の側の船宿に落合い、そこから発動機船を仕立てさせて大川をくだったと覚えている。小杉君や....
一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
分派手にお金を使う) こう云う不安があったからである。 いつも媾曳をするこの船宿にも、かなりの払いをするようだし、そのほか色々あれやこれや……。 「ねえ」 ....
」より 著者:岡本綺堂
の方へ泳いで行く。大勢は河岸づたいに追って行く。おどろいたのは柳橋あたりの茶屋や船宿だ。この牛が桟橋へあがって、自分たちの家へ飛び込まれては大変だから、料理番や....
月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
から追って来るらしくもなかったが、彼はなかなか安心できなかった。三十間堀の大きい船宿に師匠をひいきにする家がある。そこへ行って今夜は泊めて貰おうと思いついて、転....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
て庄五郎は小声で言った。 「おまえは知らないか。その女は三十|間堀の喜多屋という船宿に奉公していた女に相違ない。目と鼻のあいだに住んでいながら、おまえは一度も見....
深川女房」より 著者:小栗風葉
お宅へ廻りましょう」 四 金之助の泊っているのは霊岸島の下田屋という船宿で。しかしこの船宿は、かの待合同様な遊船宿のそれではない、清国の津々浦々から....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
その後へ向うから走って来たのはお客や芸者を乗せたモオター・ボートである。屋根船や船宿を知っている老人達は定めしこのモオター・ボートに苦々しい顔をすることであろう....