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船幽霊
「船幽霊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船幽霊の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊の自筆」より 著者:田中貢太郎
の顔があった。船頭が直ぐそれに眼を注《つ》けた。船頭は煙管を逆手にかまえた。 「
船幽霊が来やがった」 二人の舵手《かこ》は舵柄にすがったなりで起きあがれなかっ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
向の、館山北条とは事かわり、その裏側なる前原、鴨川、古川、白子、忽戸など、就中、
船幽霊の千倉が沖、江見和田などの海岸は、風に向いたる白帆の外には一重の遮るものも....
「小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」」より 著者:寺田寅彦
きのようなつもりで紙片の端に書きとめたのではないかという想像が起こってくる。 「
船幽霊」の歌の上に黒猫が描いてあったり、「離魂病」のところに奇妙な蛾の絵が添えて....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
和尚に蝋燭の燃えさしをねだった、なぜ、その手水鉢の柄杓を盗まなかったろうと思う、
船幽霊のような、蒼しょびれた男である。 半纏着は、肩を斜っかいに、つかつかと寄....
「鷲」より 著者:田中貢太郎
ていると七人|御先が来て、それに往き逢った者は熱病にかかった。海では風の静な晩、
船幽霊の漕ぐよいよいよいと云う櫓の音が聞えた。 某夏の微月の射した晩、夜学会を....
「山吹」より 著者:泉鏡花
りと叩頭して、頭の上へ硝子杯を突出す)――お旦那、もう一杯、注いで下せえ。 万屋
船幽霊が、柄杓を貸せといった手つきだな。――底ぬけと云うは、これからはじまった事....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
衛門の出し物にならないというので、特に「義経記」と改題したものらしく、羽左衛門は
船幽霊の知盛をつとめた。二番目は我当が出し物の「紙子仕立両面鑑」で、十月中旬から....
「海のまぼろし」より 著者:小川未明
らすと、破れた帆を傾けて、一そうの、難破船が、水の中を走っていたのです。 「あ、
船幽霊だ!」と、叫ぶと、ぎょっとしました。 「なんだか、気味が悪いし、もう引き上....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
吠えたける。 船は、無論、暗澹たる中をグルグル廻っているのである。水夫、楫主、
船幽霊のような声をあげて、ワーッと八方の闇にうろたえている。 「あっ、ひどい音が....