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船舷
「船舷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
船舷の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
》をあやつりながら、有頂点《うちょうてん》になってそれを拾おうとするのを見ると、
船舷《ふなばた》に立ちならんで物珍しげに陸地を見物していたステヤレージの男女の客....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に、持って来た薪も大抵は売り尽くしてしまいました。 そのときに一匹の蒼白い蛇が
船舷にわだかまっているのを初めて発見しましたが、蛇は人を見てもおとなしくとぐろを....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
たか」 新「伴藏や己の首が落ちては居ないか」 と問われて、 伴「そうですねえ、
船舷で煙管を叩くと能く雁首が川の中へ落っこちて困るもんですねえ」 新「そうじゃア....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
へ墜入りますかと思う程の有様で、実に山三郎も迚ももういかんと心得ましたから、只|
船舷に掴って、船の沈んではならんと垢を掻出すのみで、実に最う身体も疲れ果てゝ仕舞....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 廉平は急ぎ足に取って返して、また丘の根の巌を越して、苫船に立寄って、此方の
船舷を横に伝うて、二三度、同じ処を行ったり、来たり。 中ごろで、踞んで畚の陰に....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
る」 ひょろ松、ピョコリと頭をさげ、 「さすがは、阿古十郎さん」 顎十郎は、
船舷《ふなべり》へだらしなく頬杖をついて、 「おだてるな。……それで、今度はどん....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
えた。あたたかな砂浜には人が多ぜいいかなごを漁る網を曳いて居た。犬が吠え廻った。
船舷に頬杖を突いて一眠りした蒔蔵は痺れたような疲れもすっかり癒った。やる瀬ない気....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
国芳画中の女芸者は濃く荒く紺絞《こんしぼり》の浴衣《ゆかた》の腕もあらはに猪牙の
船舷《ふなべり》に肱《ひじ》をつき、憎きまで仇《あだ》ツぽきその頤《おとがい》を....