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「船蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

船蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
入れの節句もあしたに迫って、その夜寒《よさむ》をよび出すような雁《がん》の声が御船蔵《おふなぐら》の屋根のあたりで遠くきこえた。 「さびしいね」と、お若は襟をか....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
浜町へ出まして、彼れから大橋を渡りますると、また一人の侍は挨拶をいたして別れ、御船蔵前へ掛って六間堀の方へ曲りますと、水司又市は一人になりまして、深川の元町へ掛....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
いやり方のには、こういうのがある。これはちょっと淋しい人通りのまばらな、深川の御船蔵前とか、浅草の本願寺の地内とかいう所へ、小さい菰座を拡げて、珊瑚珠、銀簪、銀....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
見えた。橋番の小屋でも行燈に微かな蝋燭の灯を入れた。今夜の霜を予想するように、御船蔵の上を雁の群れが啼いて通った。 「もしあたしに悪いことでもあるとしたら、金さ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ね。清元の唄にある――首尾の松が枝竹町のって――百本|杭《くい》の向う河岸の、お船蔵の首尾の松さ、あすこにわれわれのもらう、幕府の米がうんとうなっていても、そり....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
供でもなく、父の部下のような若い代言人たちだった。鴎洲館とかいう、蔵前代地の、お船蔵近くの大きな貸席で、代言人の大会があった時、意見があわないとて、父の立つ演壇....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
まって新大橋《しんおおはし》のたもとまで、三丁の川岸っぷちにそって大小十四棟の御船蔵《おふなぐら》が建ちならんでいる。 地つづきに植溜《うえだめ》があって、ち....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
あらざるか。時節はいよいよ夏の盛《さかり》となれり。中巻第一図と第二図とは本所御船蔵《ほんじょおふなぐら》を望む両国広小路《りょうごくひろこうじ》の雑沓《ざっと....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
甍をグッと睨んで、 「旦那、お長屋の方じゃありますまいね」 「違う!」 「じゃお船蔵?」 「水門へ着けろ」 「目付が控えておりますぜ」 「まずいな」 「生きもの....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
みずからさびしくいう女の前で、かれは、いつか自分が安治川屋敷へ忍びこんだ際に、お船蔵の闇で救いを叫んだひと声の悲鳴を、今ふと、耳の底に呼び起こしていた。 「その....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
、明滅している。――人生。そんなものが、雲霧にも考えられた。 ここは、深川の御船蔵。その中にある仮牢だ。仲間の鼬だの、小猿だのが、皆、ケチな兇状につまずいて、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
の御礼日にあたるとかッてんで、両国橋は通れないので、本所一ツ目から深川へ入り、お船蔵前から永代橋を渡って、次に、稲荷橋、湊町、南八丁堀――と、こういう道順に来る....