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「船賃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

船賃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
がら、 「きれいなもんです」 とまたチョッキをたたくと、 「そりゃいかん。何、船賃なんぞいりますものか。東京で本店にお払いになればいいんじゃし、横浜の支店長も....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ました。貸船屋の奥には黄いろい蝋燭が点っています。亭主が出て来て、大きい手の上に船賃を受けとって、グードナイトとただ一言、ぶっきらぼうに云いました。 岸へあが....
雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
る時に、急いだものですから、お銭を忘れてまいりました、誠に恐れ入りますが、どうか船賃を拝借させていただきとうございますが、家へ帰りましたなら、すぐお返しいたしま....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
たおみやげだ。中々天狗につままれ賃が高い。やはり全部で七千円はかかる。 帰りの船賃と小使とが足りないので心細いから石濱君宛で、此の間、日仏銀行から逆カワセをく....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
私はオランダに長らくいたことがあるので、オランダ語はらくに話せます。私は船長に、船賃はいくらでも出すから、オランダまで乗せて行ってほしいと頼みました。船長は、私....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
た。「ほんとは、みんなが分前を貰うことになってるんだから。」 「それから国へ帰る船賃は要らないのかい!」と彼は非常にずるい顔付をしながら言い足した。 「知れたこ....
蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
時に、急いだものですから、おあしを忘れてまいりました、誠に恐れ入りますが、どうか船賃を拝借させていただきとうございますが、家へ帰りましたなら、すぐお返しいたしま....
栗の花」より 著者:岡本綺堂
て出ました。貸船屋の奥には黄い蝋燭が点っています。亭主が出て来て、大きい手の上に船賃をうけ取って、グードナイトと唯一言、ぶっきらぼうに云いました。岸へあがって五....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
たような中にも、凛とした気魄が仄見えているのだ。 「そうか、それでも足りなきァ、船賃に追い付くまで、もう少し弁じようか。そこで、下腹の傷だがねえ。見給え、それだ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
らしく、朝の八時頃には、家のすぐ裏の河岸に、日田米をつんだ荷船がつながれていた。船賃も夫人が払ってくれた。 三人はまるでお伽噺の世界の人のような気持になって船....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
したから、八十金お渡しを願います、慥かに三貫目炭を送ったからそれ丈の代を戴いて、船賃は後で宜しゅうございますから、八十金はどうか只今願います」 番「へい/\」 ....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
さすぎる。 発動汽船で別宮川を渡して貰う、大河らしく濁流滔々として流れている(渡船賃は市営なので無料)。 徳島は通りぬける、ずいぶん急いだけれど道程はなかなか捗....
取舵」より 著者:泉鏡花
になりて謹聴せり。学生は一笑して後件の譚を続けたり。 「その祝の赤飯だ。その上に船賃を取らんのだ。乗合もそれは目出度と言うので、いくらか包んで与る者もあり、即吟....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
本旨が分るから大乗教云々など言うては居られはしない。私の弟子として行きさえすれば船賃も出るしまた修学の入費も出来る訳だからそういう風にして行くが宜かろう。お前た....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
かげで、伊勢参りしたところで神戸へ戻る汽車賃が足りない。しかしここから横浜までの船賃なら残っていると気がついた。 『そんならいっそお伊勢参りはやめて東京へでもい....