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「船路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

船路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
萌《も》えいでし若葉にそゝぐ春さめをかなしきものと思ひ初《そ》めけり 君まさむ船路はるかにしのびつゝ聞きし雨ともおもほへぬかな 春さめにあかき椿《つばき》の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、陸《おか》を行くとそういう事になりましょうね。江戸時代に川越へ行くには、大抵は船路でした。浅草の花川戸から船に乗って、墨田川から荒川をのぼって川越の新河岸へ着....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れた雷電峠の突角がいかつく大きく見えだすと、防波堤の突先にある灯台の灯が明滅して船路を照らし始める。毎日の事ではあるけれども、それを見ると、君と言わず人々の胸の....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ともかくも江戸の方角へ向うことにして、便船をたのんで上総へ渡り、さらに木更津から船路の旅をつづけてつつがなく江戸へはいった。 それは庄兵衛が不義者として妻と中....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
遠く流されて朱崖にあるとき、桂林の帥が使いをつかわして酒や米を贈らせた。雷州から船路をゆくこと三日、風力がすこぶる強いので、帆を十分に張って走らせると、洪濤のあ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
日のうちに寿命が終る」 それを聞いて、商人はひどくおそれた。その以来、なるべく船路を警戒して進んでゆくと、八月のはじめに船は揚子江にかかった。見ると、ひとりの....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
と蛇の如く素早く金内の船に近づき、小さく赤い口をあけて一声爽やかな笛の音。おのれ船路のさまたげと、金内怒って荷物の中より半弓を取出し、神に念じてひょうと射れば、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
江戸までは普通の道、江戸橋から曾《かつ》てお角さんも行き、田山白雲も行った通りの船路をとったもので、天候も無事であった上に、同勢の健康にも変りはありませんでした....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しょう。白雲もやっぱり天上の雲ではない、地上の人間だ。 幸いにして、このたびの船路には、お角の時のような災難もなく、駒井と乗合わせた時のような無頼漢もなく、海....
色彩映画のシナリオ」より 著者:中井正一
洋のただなかに、今まで、多くの人々の命をささえた赤い帆が、今は人もなくたれ下り、船路の後に、ただ一つ残っていくのである。 シナリオは、この一つの船を、ただ一点....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
蔭へ船を廻して貰いたいな」 「それでは、中洲の蘆の間が好う御座います。洲の中には船路が掘込んで御座いますから、ズッと中まで入れますで」 「だと、人も船も蘆の間に....
」より 著者:佐藤垢石
太陽が太平洋の波の上へ昇っていた。私は、明治四十五年の初冬、悲しい運命の旅にこの船路を選び、同じ景色を同じ朝の時間に、この船の窓から眺めたが、陸の彩も海の色も、....
濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
だが、いま東京では男山などという灘の酒は見当たらない。それは、とにかくとして長い船路を幾日かけて江戸へきて、さらに上方へ持ち返された酒であるから、充分に揉みに揉....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
呪われては、とても我が身をまっとうすることは出来ないと覚って、師直師泰は兵庫から船路で鎌倉へ落ちようと相談した。そこには三河守師冬が東国の管領として威勢を振るっ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
たるあり。 山よりも高き波間にゆられ行く、船やいづこの岸につくらん 波風のくるふ船路に仰ぎみれば、空行く月もいさましけなる 九日、晴れ。ただし、ときどき驟雨あ....