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艤
「艤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
度舟を寄せて見るつもりだ。」
それから実際十日ばかりすると、王生は例の通り舟を
艤《ぎ》して、川下《かわしも》の松江へ下って行った。そうして彼が帰って来た時には....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
宣《たくせん》があった。そこで足名椎は已《や》むを得ず、部落の若者たちと共に舟を
艤《ぎ》して、遠い部落からこの岩の上まで、櫛名田姫を運んで来た後《あと》、彼女一....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
立ち上がったとき、私はあたりにまだ光があったときとはまったく異った感情で私自身を
艤装《ぎそう》していた。 私は山の凍てついた空気のなかを暗《やみ》をわけて歩き....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
流する事又十数日、遂に或る天気晴朗な払暁に到って、遥か東の方の水平線上に美々しく
艤装した大船が、旗差物を旭に輝やかしつつ南下して行くのを発見した。そこで息も絶え....
「北氷洋の氷の割れる音」より 著者:寺田寅彦
シベリアいったいの地図を作る事になっている。なおそのほかに探険船シビリアコフ号を
艤装して途中でいろいろの観測研究をすると同時にただひと夏に北氷洋を乗り切るという....
「恐竜島」より 著者:海野十三
たりすれは、木ネジの方が折れてはなれてしまったことであろうが、その船は、ちゃちな
艤装《ぎそう》のために、鉄材と扉の間にすきが出来、厚さ三四センチのうすい板の柱の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
られたりして、飛行島の内臓や手足ができてゆく。その後で、さらに飾りつけそのほかの
艤装がついて完成するのであった。 工事に従っているのは、前にものべたように英国....
「細木香以」より 著者:森鴎外
屋町の島村半七方に招いた。取持には有中、米八が来た。宴を撤してから舟を鞘町河岸に
艤し、松井町の稲本に往った。小稲花鳥はもういなかった。三代目小稲と称していたのは....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
。「もし君の今言ったような手掛りがあるとすれば、私はブリストルの波止場で船を一艘
艤装して、君やこのホーキンズを一緒につれて行って、たとい一年かかってもその宝を探....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
である。
オリオン号は造船|工廠《こうしょう》の近くに停泊していた。そしてなお
艤装《ぎそう》したまま修繕されていた。船体は右舷では少しも損んでいなかった。しか....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
まもなく一行はニュージーランド河畔に到着した。 川のほとりにモコウが、ボートを
艤して一行を待ちうけていた。これは四人がボートをあやつる知識と、熟練に欠けてるの....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
い。『三隈』がいない。『吉野』『千種』の姿も見えない! かれ等はもう、すっかり
艤装《ぎそう》を終って、造船工場の手を離れ、呉にも、神戸にも、横須賀にも、長崎に....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
よそ六七年、学生の伎倆も略熟したるに付き、幕議、遠洋の渡航を試んとて軍艦咸臨丸を
艤装し、摂津守を総督に任じて随行には勝麟太郎(今の勝|安芳)以下長崎|伝習生を以....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
は》ふ螢《ほたる》かな 袖笠に毛虫をしのぶ古御達《ふるごたち》 名月や秋月どのゝ
艤《ふなよそひ》 蕪村の句新奇ならざるものなければ新奇をもって論ずれば蕪村句....
「黒船前後」より 著者:服部之総
って総重量は軽いことがわかった。 当時の技術をもってして鉄造船の場合船体および
艤装《ぎそう》を合わせて重量は排水トン数の三十パーセントで済んだが、木造船の場合....