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良からぬ
「良からぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良からぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人伝」より 著者:中島敦
いたのである。 もはや師から学び取るべき何ものも無くなった紀昌は、ある日、ふと
良からぬ考えを起した。 彼がその時独りつくづくと考えるには、今や弓をもって己に....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
抜け出して来たに相違ないが、今も今、口先の嚇しにかけて、心を擾《みだ》させ、何か
良からぬ計略をめぐらそうとしているに相違ない。
雪之丞は、明るげに笑って、
「....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
ぬ訳は無い。恐ろしい表裏の世じゃ。ましてそれがしが、御身の妻女はこれこれと、其の
良からぬことを告げたところで、証拠無ければただ是|讒言。女の弁舌に云廻されては、....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
の前で、涙を振るって犠牲にされるのだ。 ほぼ、同じ矛盾、統制の良い名目とあまり
良からぬ実質との行き違いは、通商統制にも現われる(通商審議会)。対蘭印綿布輸出割....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
についても、けっして自分の狭量を恐れなさるな。そればかりか、その際に犯した自分の
良からぬ行ないも、あまり恐れなさることはありませんじゃ。どうもこれ以上に愉快なお....
「夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
すのが、もしもお主がオレと一しょに斧をもって長者の前へまかりでると、お主のために
良からぬことが起るからだ。長者はお主の身のためを考えておられる」 思わせぶりな....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
まけに、どっちの代金も払ってくれない。自業自得というもので、悪事の結果はやっぱり
良からぬものである。 ★ 質屋の商売は世評のよからぬもので....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
内の者だ。ガマ六の遊女屋と筋向いの「花房の湯」の主人、雨坊主というアダ名のあまり
良からぬ人物の一人であった。 彼の銭湯には湯女がいる。土地柄に名をかりて、巧み....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
にゆがんだ泣顔を見なれているから、彼としてはむしろ珍しく生き生きした声であった。
良からぬことを予期したものでないようだった。成子がこの言葉に聞き耳をたててよく頭....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
、差し支えなかったが、しかし世間では、ややもすれば白隠《はくいん》以外の、しかも
良からぬ人が、実際自分の私生児を引き取《と》り、白隠の言葉を借用して聖人の行為を....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
る洋品屋でもそう云う)と云う店と、さかんによその店の悪口をならべたてながらあまり
良からぬ品をうりつける店と二ツのタイプがある。前者もタクミのカタギであろうが、後....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
方が残っていると、謀叛人の足溜りともなり、山賊どもの棲家ともなる。いずれにしても
良からぬことじゃ。」 その指図にしたがって、浅野弥兵衛は大勢の家来や人夫を引き....