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良らし
「良らし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良らしの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
》を直してから微笑んだ。「木下がいけないのですの。こんどの大家さんは、わかくて善
良らしいとか、そんな失礼なことを言いまして、あの、むりにあんなおかしげな切手を作....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
チンを嚥下したらしいですが、胃洗滌をやってみたら残りを出してしまいました。消化不
良らしいですから大抵助かるでしょう」 「警察から誰か来ましたか」 「千代町の派出....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
はその弟を相手に遊んでいた。僕は大がい横井の「黄疸」をいじめて暮していた。栄養不
良らしいその黄色な顔から、僕等は彼をそう呼んでいたのだ。横井はその妹の、やはり痩....
「斜陽」より 著者:太宰治
やりとしました。 「よくわからないけど、どうせ直治の師匠さんですもの、札つきの不
良らしいわ」 「札つき?」 と、お母さまは、楽しそうな眼つきをなさって呟き、 ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
、例の食器口のところへぬうとこの男に顔を出された時には、思わずぞっとした。栄養不
良らしい蒼ざめた鈍い土色の顔を白毛まじりの灰色の濃い髯にうずめて、その中からあま....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
の山高帽子、紙屑屋は紙屑屋、探偵は探偵、絵描きは絵描き、茶人は茶人、不良少年は不
良らしく、各々その個性にしたがって、自発的に帽子の種類をちゃんと択んでいるから感....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
というものは何処か漢文的口調のところがある。併し、万葉集全体から見れば、憶良は憶
良らしい特殊の歌風を成就したということになるから、その憶良的な歌の出来のよい一例....
「未来の天才」より 著者:豊島与志雄
掛けてる人々が、不思議そうに私を見ていた。それを見返してやると、中に一人、栄養不
良らしい顔色をした中年の男が、眉根をしかめて憐っぽい瞬きをした。私は危く放笑《ふ....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
した眼付がいやに圧迫してくる。隆吉がよちよち歩いてる。頭ばかりが大きくて、栄養不
良らしい萎びた身体付をしている。自分の児だと思うと変な気がする。 これまで書い....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
。」 そう云いながら彼女は立上った。昌作はぼんやりその後姿を見送った。極めて善
良らしくはあるがまた可なり鈍感らしい春子と、どうして沢子がそう親しくしてるのか、....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
りこみ、日焼けの額に老けた筋が通り、善良な眼付と口付……骨格は頑丈だが、栄養が不
良らしい肉附の、若いトルストイヤンと、茫漠たる風采の杉本との対話……その傍で、そ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
いたい三つにわかれた。ストライキ即時断行論がその一つで、これは馬田を中心とする不
良らしい五六名が、理論も何もなく、まるでおどかすような調子で主張した。第二はスト....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れざりし あづさ弓 おきふし我れに 馴れむものとは とか。はははは、いかにも宗
良らしい歌よな。だがこれからは、すべて朝政に一統され、公武の別などなく、武士も朝....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
っと夫人を睨む真似をした。夫人は可笑しそうにくすくす笑いながら、 「ほんものの不
良らしく見える? 実は今日はね、よたもんになりすましてある事件の調査に出かけたの....