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「良妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

良妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
如是我聞」より 著者:太宰治
じている。何故だろうか。彼は所謂よい家庭人であり、程よい財産もあるようだし、傍に良妻あり、子供は丈夫で父を尊敬しているにちがいないし、自身は風景よろしきところに....
婦系図」より 著者:泉鏡花
並べて選取りにお目に掛けます、小格子の風だ。」 「可いじゃないか、学校の目的は、良妻賢母を造るんだもの、生理の講義も聞かせりゃ、媒酌もしようじゃあないか。」 ....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
私よりもずっと行き届いた款待振りである。そういう場合氏の亙りの長い手足は、中年の良妻のような自由性と洗錬を見せて働く。こういう折々、いつも私は思うのであるが、こ....
秋風記」より 著者:太宰治
殴りつけたく思う。 「K、そんなに、さびしいのか。K、おぼえて置くがいい。Kは、良妻賢母で、それから、僕は不良少年、ひとの屑だ。」 「あなただけ、」言いかけたと....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
うと、今にして政宗を去って氏郷に附いた方が賢いと思った。丁度其家を思わぬでは無い良妻も、夫の愛を到底得ぬと思うと、誘う水に引かれて横にそれたりなぞするのと同じこ....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
外ならないだろう。ブルジョア教育制度は初め、学問の蘊奥や国家に枢要な知識や人材や良妻賢母等々のありと凡ゆる理想の下に、もっと「健全」な計画を立てた筈であった。と....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
なったという女は、もっとベタ/\とセンチな純情派や肉感的な荒々しい男性型、平凡な良妻型などいう月並なところで、知的な自信や骨っぽさのある女は例のジロリで、私と交....
三十歳」より 著者:坂口安吾
しまうのがいけないのです、と言われるたびに、なにを、つまらぬことを、私はあの人の良妻ぶったツマラナサを冷然と見くびるばかりであった。私はたゞ、むなしかったゞけで....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
の移り変りには風馬耳、その時々の愉しみを見つけて滑りこむ。日頃オサンドンの訓練、良妻賢母、小笠原流、窮屈の極点に痛めつけられているから単純な遊びでも御満悦で、戦....
握った手」より 著者:坂口安吾
に腕がないのかと松夫は嫉妬した。 むろん綾子は口ほどではなかった。彼女は健全な良妻になりたがっているのである。ただ、松夫の良妻になりたいかどうかが問題なのだ。....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ない。彼女らがそうであるばかりでなく、日本の多くの「女房」がそうで、オサンドン的良妻、家庭の働く虫的なものから個性的なものへ脱皮しようとする欲求を殆ど持っていな....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
の事業にイノチをうちこむのよ。私はそんなふうに生れついた女ですから。記代子さんは良妻賢母に生れついた方。結婚までの社会見学に働いてみる程度の軽い気持でなければい....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ましても、学校を落第しない程度に恋愛して、暮らしに困らない程度に子どもを生んで、良妻賢母でゆきますならば、非難なくやってゆけるわけであります。忠実な夫、忠実な妻....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
孤独は四海の窮民である。天下に窮民なく、人々家庭の楽あるは太平の恵沢である。家に良妻ある程幸福はない。私の前妻節子は佐原伊能氏の娘で、実に貞淑であり、私の成功は....