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良妻賢母
「良妻賢母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良妻賢母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
並べて選取りにお目に掛けます、小格子の風だ。」 「可いじゃないか、学校の目的は、
良妻賢母を造るんだもの、生理の講義も聞かせりゃ、媒酌もしようじゃあないか。」 ....
「秋風記」より 著者:太宰治
殴りつけたく思う。 「K、そんなに、さびしいのか。K、おぼえて置くがいい。Kは、
良妻賢母で、それから、僕は不良少年、ひとの屑だ。」 「あなただけ、」言いかけたと....
「青年」より 著者:森鴎外
母として可哀がる。人類の継続の上には、この型の女が勲功を奏している。だから国家が
良妻賢母主義で女子を教育するのは尤もでしょう。調馬手が馬を育てるにも、駈足は教え....
「今日の文化の諸問題」より 著者:宮本百合子
れられている。昨今の婦人雑誌の内容を見ても分る通り、婦人の天職を家庭の中にあって
良妻賢母であること、やりくりのうまい主婦であることに認める傾向は、近頃一層いちじ....
「日本の秋色」より 著者:宮本百合子
ヒットラーの代になって子持の母への賞金とか独身税とかになって現れている。日本では
良妻賢母という言葉によっては既に新しい刺戟を与えられないが、服飾や愛の技巧の研究....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
外ならないだろう。ブルジョア教育制度は初め、学問の蘊奥や国家に枢要な知識や人材や
良妻賢母等々のありと凡ゆる理想の下に、もっと「健全」な計画を立てた筈であった。と....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
京府立第一高女の校長市川源三氏は、その公民科教科書『現代女性読本』に於て、新しい
良妻賢母主義、即ち妻の身分上の独立に基く
良妻賢母主義を提唱した。処が、それが果せ....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
が易々諾々として教案を草し、その教案によって百年一日の如く恐ろしい厭怠の裡に所謂
良妻賢母を説いて居る、その偽瞞の現状維持は、強いても日本女性を楽観して居ります。....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
一種の学究者でして、生活が華やかでない代りに、至って真面目だったのです。妻は所謂
良妻賢母といった型《タイプ》の女で、几帳面に家事を整えてくれました。で僕達はまあ....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
の移り変りには風馬耳、その時々の愉しみを見つけて滑りこむ。日頃オサンドンの訓練、
良妻賢母、小笠原流、窮屈の極点に痛めつけられているから単純な遊びでも御満悦で、戦....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
の事業にイノチをうちこむのよ。私はそんなふうに生れついた女ですから。記代子さんは
良妻賢母に生れついた方。結婚までの社会見学に働いてみる程度の軽い気持でなければい....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ましても、学校を落第しない程度に恋愛して、暮らしに困らない程度に子どもを生んで、
良妻賢母でゆきますならば、非難なくやってゆけるわけであります。忠実な夫、忠実な妻....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
しまい、また外のどんな仕事もすることが出来なくなっている。女は裁縫や編物やその他
良妻賢母となるに必要な家事を全然教えられない。これが彼らにとっても社会にとっても....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
ないように。僕ごとき「幽靈」――フラフラ、グラグラの人間に、パンパンが惡いのか、
良妻賢母が善いのか、又はそのアベコベなのか、わかるもんですか。そして、こんな事を....
「夜の道づれ」より 著者:三好十郎
かと思うと、總理大臣がむやみと謹嚴な顏をしてワイロをつかんでいたりさ、パンすけが
良妻賢母だつたり、舊華族の令孃のハンドバッグに、ゴム製品が一ダースも入つていたり....