良材[語句情報] »
良材
「良材〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良材の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
時の事でございます。その御堂《みどう》も只今は焼けてございませんが、何しろ国々の
良材を御集めになった上に、高名《こうみょう》な匠《たくみ》たちばかり御召しになっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ない。そのことは尾州家の領地なる木曾地方にもあらわれて、一層の注意が森林の保護と
良材の運輸とに向けられ、塩の|買〆も行なわれ、御嶽山麓に産する薬種の専売は同藩が....
「旅愁」より 著者:横光利一
く、八十年をへた年月の風雪にかかわらず、狂いや罅が一つも見られなかった。それらの
良材のすべても目立たぬように渋を塗りこめ、生地の放つ尊厳さを薄め匿した心遣いの顕....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
の帳尻を合わせるために無茶苦茶にこの材木の使用を宣伝し奨励して棺桶などにまでこの
良材を使わせたせいだといううわさもある。これはゴシップではあろうがとかくあすの事....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
。 日本の家屋が木造を主として発達した第一の理由はもちろん至るところに繁茂した
良材の得やすいためであろう、そうして頻繁な地震や台風の襲来に耐えるために平家造り....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ミチヴ・カルチュール》』一巻十章)、一昨年三月号一六三頁にその図あり。 『続歌林
良材集』に、菖蒲が蛇になる話あり。『方輿勝覧《ほうよしょうらん》』に、湖北岳州府....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
真熊野の舟」は、熊野舟で、熊野の海で多く乗ったものであろう。攷證に、「紀州熊野は
良材多かる所なれば、その材もて作りたるよしの謂か。さればそれを本にて、いづくにて....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
をきりだして徳川時代に死刑になった例があるから、大工や普請好きの面々にスイゼンの
良材の宝庫であるが、誰も踏み入ることのない秘境であった。 この秘境から一匹の大....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
にあけて上手にころがして吸付けたものでした。 根附の材料は種々あるので、日本は
良材が多いのですから、檜などよく使われましたが、その質が余り硬くないので、磨滅す....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
分はまだ桜の材で上等のものが沢山あったが現今では甚だ稀です。南部の方から出るのが
良材であります。まず、雄鶏の方から初めました(木彫りの順序は鑿打ちで形を拵え、鑿....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
この材を用いて鸚鵡を作り、宮内省の御用品になったことがある。それで今度も栃の木の
良材を探し、純色で銀色の光りのある斑を利用して年|老った白猿をこしらえて見ようと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
として、坐視できない。武士の不平は、彼にすれば、彼のいだく大望の理想楼閣をきずく
良材なのだ。味方なのだ。その素地を、北条再建軍にうばわれては、彼の立脚する所はな....
「料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
法の第一着手としては、よき材料を得ることだ。魚介、野菜、鳥獣肉、なんであろうと、
良材を要する。よい材料と言うと直ぐに高価に違いないと連想されるだろうが、そうとば....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
落葉松や栂、檜などが縦横に河の中に倒れている。こうして数十百年を経たであろう可惜
良材が空しく朽ち果ててしまうのは勿体ないことだ。時々崖に出遇うが迂廻する必要もな....