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良種
「良種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
良種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
買い求めた猟犬、一匹一匹、手離すことに努力した。私になつかぬ、けれども素晴らしい
良種の猟犬をさえ、私は涙をのんで手離した。誰が手離したのか。もちろん私である。け....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
俺はそんな施しは御免だ! 四年から一高か三高へはいれた秀才に限るだなんて、まるで
良種の犬か競走馬を飼うつもりでいやがる) 豹一は腹を立てたが、しかしそんな候補....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
、日本国民の中ではむしろ比較的少数な特殊階級の人間である。国民の大多数はやはり純
良種の日本人であって米の飯とたくあんを食い、われら固有の民謡をうたい、われらの踊....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
ての人間の品質はいやでもだんだん高まって行く一方であろう。こういう意味で災難は優
良種を選択する試験のメンタルテストであるかもしれない。そうだとすると逆に災難をな....
「郷土的味覚」より 著者:寺田寅彦
に試植するからと云って土佐の楊梅の苗を取寄せることを依頼された。郷里の父に頼んで
良種を選定し、数本の苗を東京へ送ってもらった。これがさらに佐野博士の手で伊東に送....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
卵でありますが、在来の鶏は一年間に七八十個の玉子より産みませんが、今日行わるる改
良種は平均百八十個産みます。ところが一利一害は免れぬものでありまして産卵の少ない....
「光は影を」より 著者:岸田国士
資金にあてるつもりであつた。岐阜の養蜂家の猪狩氏が、彼の熱意に動かされて、無償で
良種の種蜂を数群分けてくれ、その上、必要な器具材料を実費で供給してくれることにな....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
整然たるリンカクに於ても、色の白さに於ても、美しいヒゲに於ても、ヘルプ紳士の最優
良種に属していたが、お行儀のよさ、気のやさしさ、物やわらかさ、すべてに申し分のな....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
、競犬ダービーの優勝犬の血統から、猟犬、番犬、牧羊犬、警察犬、盲導犬、愛玩犬の優
良種が生れると本気に宣伝する気なら、それが何犬の協会の御発案か知らんが、どうも智....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
目的にしているから、私が本当のことを書くと困るのだけれども、規格とか標準以上の改
良種や、新種をつくることを目的にし、商法の上でもそれを明らかにしておけば、めいわ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
から、物を公平に観ることが出来るのですが、少しも贔屓目を附けず、「種」の方が全く
良種であることに得心が行きました。 もっとも、狆を見ることに巧者な人に話しても....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
ぎなかった。梨に二十世紀、桃に白桃水蜜桃ができ、葡萄や覆盆子《いちご》に見事な改
良種の現れたのは、いずれも大正以後であろう。 大正の時代は今日よりして当時を回....
「女房ども」より 著者:神西清
ルーブルにもなることがありました。それに息子もやはり少しくらいは稼ぐのです。鳩の
良種を育て上げて、好きな人達に売っていました。二六時ちゅう屋根の上にあがって、箒....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
きて、樫原に劣らぬと自慢している。 しかし、私の経験ではなんと言っても樫原の優
良種がよい。噛みしめて著しい甘味があり、香気がすこぶる高い。繊維がなくて口の中で....
「洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
がほとんどゼロで、到底日本の良品に比すべくもない駄品である。 しかし、日本にも
良種ばかりでない。概して西湖産に似たものが多く、よく食料品屋などに壜詰になってい....